• HOME
  • ニュースルーム
  • 世界初、100%VOCフリー水なしEBオフセット印刷を使用した食品包装を実用化 -軟包装材のカーボンニュートラルに貢献-

世界初、100%VOCフリー水なしEBオフセット印刷を使用した食品包装を実用化
-軟包装材のカーボンニュートラルに貢献-

facebookでシェアする twitterでシェアする Linkedinでシェアする

2023.09.25

東レ株式会社
ITP Foods Sdn. Bhd.


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大矢 光雄、以下「東レ」)、ITP Foods Sdn. Bhd. (本社:マレーシアペナン州、Executive Director: William Koh Hai Min、以下ITP Foods)は、このたび、東レの独自技術となる「VOCフリー※1・CO2排出削減を実現する水なしEBオフセット印刷システム」を適用した食品包装材を実用化し、ITP Foodsが新商品として世界に先駆けて上市する予定です。

 軟包装材は、軽量性や透明性、加工のしやすさなどの特長を持ち、食品やシャンプー・洗剤の詰め替えパウチなど各種包装用に幅広く使われており、今後も世界的な人口増加に伴い、軟包装材市場は年率3%以上※2の拡大が予測されています。
 一般的な軟包装材の製造工程において、文字や絵柄などの情報をプラスチックフィルム上に印刷する工程で用いられるインキには石油系溶剤が使用されており、VOC(揮発性有機化合物)の発生源となります。さらに、インキに含まれる石油系溶剤を加熱乾燥し、燃焼処理する設備が必要となるため、多量のエネルギーを使用しています。
 このような原反フィルムへの印刷時のエネルギー使用等によって排出されたCO2による地球温暖化への影響、VOC発生による労働環境への影響等が懸念されており、印刷工程でのCO2排出量削減、VOCフリー化への対応が喫緊の課題となっています。

 これに対し、東レは、印刷工程におけるVOCの発生を抑制するとともにCO2排出量の80%以上を削減するIMPRIMA™※3を用いた水なしEB(電子線)オフセット印刷技術について、各種実証、実用化検討を進めてきました。今回、軟包装材の環境対応を重視するITP Foodsが東レの環境対応印刷技術に着目し、東南アジアの食材の質感の再現における他印刷方式と比較した優位性の観点から、先駆的な取り組みとして自社新商品のフィルム包装材に対して当該印刷技術を採用するに至りました。商業ベースでは世界初となります。
 また、今回上市したITP Foodsの新商品の包装材には、VOCフリー印刷システムを示すP4E™マーク※4および水なし平版で印刷されたことを示すバタフライマーク※5が搭載されており、環境対応印刷技術を使用していることが商品外観からも認識可能です。

 ITP Foodsは、本成果となる新商品を、2023年10月7日~11日の日程でドイツのケルンで開催される世界最大級の食品展示会であるAnuga 2023(Allgemeine Nahrungs- und Genussmittel-Ausstellung:食品・飲料総合展示会)へ出展する予定であり、同展示会をはじめとして本格的に環境対応印刷技術を用いた新商品の各国へのプロモーションを計画しています。

 東レとITP Foodsは、今後も軟包装材料製造における水なしEBオフセット印刷技術を駆使した環境対応包装材料の拡大を加速し、軟包装印刷システムにおけるCO2排出削減、VOCフリー化によるサステナブルな社会の実現へ貢献して参ります。
 


<東レ株式会社概要>
1. 会社名 : 東レ株式会社
2. 事業内容 : 繊維やプラスチックをはじめとする基礎素材製品の製造・加工及び販売
3. 本社所在地  : 東京都中央区日本橋室町2-1-1
4. 設立 : 1926年1月
5. 代表者 : 代表取締役社長 大矢光雄

<ITP Foods 概要>
1. 会社名 : ITP Foods Sdn. Bhd.
2. 事業内容 : ソース、調理ペースト、調味料の製造
3. 本社所在地  : PMT 1238, Lorong PSPN 5, Penang Science Park North, 14100 Simpang Ampat, Penang , Malaysia
4. 設立 : 2020年
5. 代表者 : (Executive Director) William Koh Hai Min

<用語・説明>
※1.VOCフリー:
VOCとは、Volatile Organic Compound(揮発性有機化合物)の略で、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどが該当し、有機溶剤系塗料に含まれる。本リリースにおける「VOCフリー」とは、乾燥工程におけるVOC排出がゼロであることを意味する。
※2.情報出典元
The future of global flexible packaging to 2025  SMITHERS社
※3.IMPRIMA™:
印刷時にVOCを含む湿し水を用いないことや、製版時にアルカリ現像廃液を出さない等の特長を持つ東レの環境配慮型オフセット印刷版。
※4.P4E™マーク:
方式によらず、有機溶剤を含むインキや、VOCを含むオフセット印刷の湿し水を用いないことなどにより、印刷工程においてVOC排出がゼロであることを示す環境マーク。
※5.バタフライマーク:
印刷のプロセスの中で最も環境配慮がされたオフセット印刷方式(製版時の現像廃液がない、湿し水・IPAを使わない、VOCの放散量が少ない印刷方式)を使用していることを明示する日本水なし印刷協会が運営する環境マーク。

 
以 上