• HOME
  • ニュースルーム
  • 欧州でガラス繊維強化PPS樹脂のリサイクルプロセスを確立 -SKZがカーボンフットプリント約45%削減可能と検証-

欧州でガラス繊維強化PPS樹脂のリサイクルプロセスを確立
-SKZがカーボンフットプリント約45%削減可能と検証-

facebookでシェアする twitterでシェアする Linkedinでシェアする

2023.06.01

東レ株式会社


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、このたび、欧州における樹脂製品のマーケティングおよび販売会社であるToray Resins Europe GmbH(略称:TREU)にて、射出成形工程から廃出されるガラス繊維強化PPS樹脂のリサイクルプロセスを確立しました。本プロセスは、東レのコンパウンド技術を前提に委託加工パートナーである高機能樹脂製品リサイクル・コンパウンド会社MKV GmbH Kunststoffgranulate(本社:ドイツ・ベセリッヒ、www.mkv-kunststoff.com)との協力の成果です。

 本プロセスを適用したリサイクル率50%のガラス繊維強化PPS樹脂は、ヴァージン原料を用いた射出グレードと比較して90%以上の機械強度を保持しており、カーボンフットプリント(以下、「CFP」)を約45%削減可能です。CFPは、欧州合成樹脂のリーディング試験機関であるSKZ-Das Kunststoff-Zentrum(本社:ドイツ・ヴュルツブルク)が製品のライフサイクルアセスメントに関する規格であるISO14040/14044およびCFPに関する規格であるISO14067に基づき算出し、検証されたものです。

 ガラス繊維強化PPS樹脂は、難燃性、長期耐久性、耐薬品性に優れた特徴から、EV含む自動車、電機・電子、水廻り部品等産業用途全般などに幅広く使用されています。近年は、世界的な環境意識の高まりからリサイクルへのニーズが急速に拡大していますが、従来のリサイクルでは、成形加工が繰り返されることにより、ガラス繊維の長さが短く折損し、機械強度の大幅な低下が生じるため、リサイクル比率を低く抑える必要がありました。

 今後、欧州のお客様向けを中心にサンプルワークを展開し、リサイクル素材・製品の全社統合ブランドである「Ecouse」シリーズの「“Ecouse”TORELINA」として、販売する計画です。

 東レは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において、「資源が持続可能な形で管理される世界」を、2050年に目指す世界のひとつとしています。今後も、顧客の環境配慮型樹脂のニーズに応えていくことで、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでまいります。

<ご参考>
Toray Resins Europe GmbH(TREU)概要
1. 事業内容 : 東レ樹脂材料の欧州市場マーケティングおよび販売
2. 本社所在地  : ドイツ連邦共和国ヘッセン州オッフェンバッハ郡ノイ=イーゼンブルク市
3. 設立 : 2015年4月
4. 資本金 : 2.0百万EUR
5. 代表者 : (社長)ロバート・エンゲル
 
以 上