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第6回インフラメンテナンス大賞「経済産業大臣賞」を受賞
「送電用鋼管鉄塔の部材腐食に伴う現場VaRTM工法によるCFRP補修技術の開発」

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2023.01.23

東レ株式会社


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、東京電力パワーグリッド株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:金子 禎則、以下「東京電力パワーグリッド」)、株式会社安田製作所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川合 利斉、以下「安田製作所」)と共同で実施した「送電用鋼管鉄塔の部材腐食に伴う現場VaRTM※1工法によるCFRP※2補修技術の開発」について、経済産業省より「第6回インフラメンテナンス大賞 経済産業大臣賞」を受賞しました。
※1 VaRTM:真空含浸成形
※2 CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics):炭素繊維強化プラスチック

 このたびの受賞は、送電用鉄塔の鋼管部材における内部腐食による穴あきや減肉箇所に対し、CFRPを用いて補強を行う本技術によって、取替工事に伴う特殊治具や特殊工法が不要となることで強度検討期間の短縮および工事費用を削減でき、さらに鉄骨建物など他のインフラにも応用可能なことで社会への波及が期待されることが評価されたものです。
 
   
(表彰状を持つ当社授賞者(左)と楯(右))

 インフラメンテナンス大賞は、国土交通省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、防衛省が所管する施設について、日本国内のインフラのメンテナンスに係る優れた取り組みや技術開発に対し、各界の有識者による審査を経て、各大臣賞、特別賞、優秀賞が決定されます。我が国のインフラメンテナンスに関わる事業者、団体、研究者等の取り組みを促進し、メンテナンス産業の活性化とインフラメンテナンスの理念の普及を図ることを目的に、2016年度から実施されています。
 今回東レは、東京電力パワーグリッドならびに安田製作所と共同で、電力分野における技術開発部門で「経済産業大臣賞」を受賞しました。

 今回の受賞内容の詳細は下記の通りです。

1.経済産業大臣賞テーマ
 「送電用鋼管鉄塔の部材腐食に伴う現場VaRTM工法によるCFRP補修技術の開発」

2.受賞者(共同開発)
 東京電力パワーグリッド株式会社、株式会社安田製作所、東レ株式会社

3.受賞技術
 現場VaRTM工法は、補修対象の既設鋼構造物の表面に当社炭素繊維シート「トレカ®クロス」を配置し、その上からフィルムで被覆後、真空ポンプで真空状態を形成し、エポキシ樹脂を注入・硬化させて形成したCFRPと鋼構造物を一体化させる技術です(特許取得済)。
 送電用鉄塔の鋼管部材において、経年による内部腐食が原因とされる穴あきや減肉が確認されています。鉄塔の強度を確保するため、従来、部材取り替えによる補修が実施されていましたが、多大な労力とコストがかかっていました。このため、腐食減肉により取り替えが必要な鋼管部材へ現場VaRTM工法を適用するための技術開発を共同で行い、新たなCFRP補修技術を確立しました。取り替え工事に伴う特殊治具や特殊工法が不要となり、強度検討期間・工事期間の短縮、および工事費用の削減が可能です。

4.実用状況と今後の展開
 現場VaRTM工法は、国内では送電鉄塔、海外では海洋石油生産・貯蔵・積出設備(FPSO)などのインフラ施設で採用されている鋼材補修工法です。現在は鋼製橋梁や鉄骨建物等の補修補強へ水平展開を図るために、実用化に向けた開発を進めています。
 今後も、当社のトレカ®クロスが、国内外のインフラ施設の長寿命化・強靭化に大きく貢献できる技術の確立とバリュー・チェーン構築を目指してまいります。
現場VaRTM工法の概要図
(写真提供:東京電力パワーグリッド)
 
 
送電鉄塔での上空施工
  
現場VaRTM工法
 
CFRP補強イメージ
 
以 上