東レ株式会社
東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)が2022年1月31日付で公表しました、UL LLC(以下「UL」)の認証登録における不適正行為の問題について、これまで様々な対応を行ってきましたので、現時点での進捗状況および処分内容をお知らせします。
当社は、2022年4月12日に公表しました有識者調査委員会の調査結果報告書での提言およびULと協議を行った結果に基づいて取締役会が策定した再発防止策を、計画通り実行しております。今後も引き続き、経営陣が先頭に立って確実に実行し、お客様および広く社会からの信頼回復に全力で努めていく所存です。
記
Ⅰ.UL認証登録における不適正行為に関する処分
1. |
取締役の経営責任について |
・5月13日付 |
代表取締役社長 |
日覺 昭廣 |
月額報酬の50%減額(6か月間) |
代表取締役 |
阿部 晃一、大矢 光雄 |
月額報酬の30%減額(6か月間) |
その他取締役 |
5名 |
月額報酬の20~10%減額(6~3か月間) |
2. |
管理・監督責任および実行行為責任について |
・10月3日付 |
対象 |
樹脂UL認証における不適正行為に部長級以上の職責で関わったことが明らかとなり、現在も東レグループ内で部長級以上の地位にある者。 |
内容 |
降格降級相当29名、減給8名、譴責2名 |
Ⅱ.UL認証およびISO認証への対応
1. |
UL認証の再登録状況
UL認証が取り消しとなった合計62品種のうち、今後もUL認証品として販売する29品種の再登録を、10月12日までにすべて完了しました。 |
2. |
ISO9001認証範囲の一部取り消し・一時停止への対応状況
7月12日付でISO9001:2015※1認証が一部取り消し・一時停止となった範囲のうち、名古屋事業場において一時停止となっていた範囲は10月28日付で解除となりました。
また、認証取消となった樹脂製品の品質マネジメントシステムの是正は既に完了し、2022年6月より運用を開始しています。今後は、その実効性を確認したうえでISO(国際標準化機構)の登録認証機関である一般財団法人日本品質保証機構(JQA)に是正処置報告書を年内に提出し、是正処置審査を受審することで、2022年度内のISO9001再認証を目指します。
※1 品質マネジメントシステムに関する国際規格 |
Ⅲ.再発防止策の実行
1. |
コンプライアンス意識の強化 |
(1) |
コンプライアンス教育の強化
5月にコンプライアンスに関する教材の作成を完了し、部署内教育や研修等による社員への教育を開始しました。今後も引き続き教材を活用した教育活動を継続してまいります。 |
(2) |
品質保証への貢献度を評価指標に取り入れること
6月にコンプライアンスに対する貢献度を重視した評価制度に見直しを行い、従業員はコンプライアンスに対する取り組み内容を業務の目標に明記しました。
そして9月に、新基準による2022年度上期の評価を実施しました。
今後もこの新基準による評価を続けます。 |
(3) |
再発防止への取り組み状況の公表
再発防止の進捗を社外に公表するため、5月に当社ウェブサイト上に特設サイトを設置しました。現在は1回/月程度の間隔で適宜更新しながら運用を行っています。 |
(4) |
経営陣が本気度を示す行動を強化・継続すること
経営陣はそれぞれが現場に出向き、安全・品質・コンプライアンスの重要性について従業員と対話する活動を継続しています。
また、各経営陣の活動状況については、定期的に取締役会に報告する他、毎月の執行役員会で報告しており、その他の全社会議等でもコンプライアンスに関する報告を継続します。 |
2. |
UL対応に関する作業手順および教育体制の確立
4月、5月にUL認証に関連するセミナーを実施、6月にUL対応の手順書を作成し、運用を開始、7月には資格制度の運用を開始しました。また、10月にUL対応に関する外部監査を受審しました。
今後、UL対応に関する外部監査結果に応じた取り組みを2023年3月までに実施します。 |
3. |
異なる事業に関する部門間での人事異動の実施、その他の交流の実施
6月に担当役員が交代し、現場部署長の人事異動を実施しています。
また、異なる事業分野の役員・社員が参加する研修に、樹脂UL認証不適正行為の事案を教材とした研修の組み込みを、6月以降順次進めています。 |
4. |
品質保証部門または外部機関がUL対応を確認する体制の構築
5月に品質保証本部の認証業務における役割についてのガイドラインを改定し、6月に社内教育を完了、9月から運用を開始しました。今後、12月を目標に、外部監査を実施する計画です。 |
5. |
品質保証部門の組織体制の強化
6月に、品質保証を担当する部署に対する監査の基準書を完成させました。また9月には監査計画を策定し、監査を開始しました。今後、12月を目標に、外部監査を実施する計画です。 |
6. |
不適正行為が東レの管理部門などに対して報告されるようにするための体制の構築
5月に品質保証の社内規定に報告義務を明記し、6月には社内の内部通報制度を改定しました。
また、品質保証に関する社内アンケートについて、調査のテーマと結果報告のルールを改善し、10月に手順を確定しました。この新たな手順を用いた品質保証に関する社内アンケートを、11月に実行する計画です。 |
以上