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欧州における車載用極細吸音材“Airlite™”(エアライト)の事業拡大について

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2022.09.15

東レ株式会社



 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)のグループ会社である、チェコ拠点のToray Textiles Central Europe(以下「TTCE」)および韓国拠点の東レ尖端素材(以下「TAK」)は、このたび、自動車の車体内の空間から発生する走行騒音・共振音・外部流入音などを防止する、極細吸音材“Airlite™”(エアライト)について、チェコにて生産設備を新設し、欧州での自動車用極細吸音材の事業を拡大します。TTCEにおいて年産約1,200トンの設備を導入し10月から量産を開始します。
 


車載用吸音材 “Airlite™”(エアライト)

 先進国では欧州を中心に、内燃自動車を含む自動車の社外騒音規制が段階的に強化されています。また、今後急速な普及が予想される電気自動車は、エンジン騒音がほとんどないため、運転者に対する路面騒音など外部からの走行騒音への対応が必要とされています。さらに、走行中の乗り心地や高級感の演出のため、車内騒音の低減が必要とされています。 また、今後はプロペラを利用したUAM(Urban Air Mobility)産業の成長が見込まれ、軽量吸音材の採用分野はさらに拡大していきます。
 これらの状況により、今後とも吸音性能に優れ、且つ軽量な吸音材市場の持続的拡大が期待されています。

 “Airlite™”は、軽量のポリプロピレンとポリエステルを混入し、メルトブロー方式(※)により生産した不織布吸音材で、幅広い周波数での吸音性能に優れ、また従来の吸音材より軽いため、自動車走行時に発生するエネルギー消費量を減らすことができます。

(※)樹脂を溶かす・吹き付ける、を繰り返すことで、体積のある不織布をつくる製法。


 TTCEは既存のエアバッグ基布事業に加え、本事業を通じて自動車素材分野における事業拡大を目指します。TAKは車載用吸音材事業を欧州に広げ、欧州の電気自動車市場の拡大による自動車メーカーおよび主要部品会社との取り組みを強化していきます。

 また今後は、リサイクル原料を用いるなど、環境に配慮した製品開発を推進して付加価値を高め、顧客ニーズに積極的に対応してまいります。東レは、お客様とともにサステナビリティな社会実現に向けて、環境負荷低減の取り組みを進め、東レグループの企業理念である「私たちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでまいります。

 東レは、“東レグループ サステナビリティ・ビジョン”のなかで、 世界が直面する「発展」と「持続可能性」の両立をめぐる様々な難題に対し、革新技術・先端材料の提供によって、本質的なソリューションを提供していくことを宣言しています。
 当社グループが目指す 2050年におけるカーボンニュートラルの実現に向け、今後とも、人々のライフスタイルの多様化に応え、豊かな生活の実現とサステナビリティの両立に貢献していきます 。

 詳細については下記の通りです。

1. 製品名称 : “Airlite™” (エアライト)

2.概 要 :
(1)規 模 : 約1,200トン/年産
(2)場 所 : TTCE社(チェコ プロスチェヨフ市)

3.製品特長 :
(1)細繊度の繊維を使用することにより高密度で高性能吸音性を保有
(2)ポリエステル短繊維の混入を通じてバルキネス(厚さ)および圧縮回復力を確保
(3)バルキネス(厚さ)による優秀な吸音性
(4)従来の吸音材に比べて軽量性を確保

4.主な用途
(1)輸送用(主に自動車)の吸音材
(2)電子機器の吸音材

以 上