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第35回 独創性を拓く 先端技術大賞を受賞
-超軽量革新複合材料“CFRF”の研究開発が評価-

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2022.07.15

東レ株式会社



 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、このたび、産経新聞社が主催する第35回 独創性を拓く 先端技術大賞において、「超軽量革新複合材料“CFRF”の研究開発」の取り組みが評価され、「産経新聞社賞」を受賞しました。東レの先端技術大賞における受賞は、第32回の「経済産業大臣賞」以来となります。

 東レはこれまで、軽量性と力学特性に優れる炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic, CFRP)の開発を通じて、航空機や自動車をはじめ、風車や圧力容器といった構造体の軽量化およびエネルギーの高効率化に貢献してきました。また、スポーツ用品、医療機器、電子機器など幅広い用途で、高性能化を実現してきました。

 今回受賞の対象になった“CFRF”(Carbon Fiber Reinforced Foam)は、炭素繊維からなるネットワークを樹脂で固めた複合材料であるとともに、内部は空気が大部分を占める多孔質体でもあります。すなわち、低比重でありながら、構造体として機能することで軽量性をより高めることができます。

 “CFRF”はシート基材を膨張させて立体形状に成形することが可能です。シート基材は面内等方で均質な性質を持つため、安定した膨張成形性を示すとともに、他の材料との積層や複合化にも活用できます。従来CFRPとの複合化により、引張、圧縮、曲げのいずれの特性にも優れるサンドイッチ構造体となります。また、グラファイトシートとの複合化では、金属同等の熱伝導性を持つ炭素繊維複合材料が設計できます。

 このユニークな特徴をもつ”CFRF”や、成形材料であるシート基材の研究開発および実用化技術についてまとめ、アプローチの独創性、多様化する製品ニーズへの適用性や市場性などが評価されました。“CFRF”をサンドイッチコアに適用した超軽量高剛性のパソコン筐体はそのポータビリティを大きく高め、この実績を足掛かりに、開発が加速しているUAM(Urban Air Mobility)や今後需要が回復する航空産業での活用を見込んでいます。

 東レは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」との企業理念のもと、先端材料・革新技術を生み出し続けることで、社会の発展に貢献してまいります。

(ご参考)「独創性を拓く 先端技術大賞」について
 「先端技術学生論文表彰制度」は1986年に理工系学生の独創性と創造性をはぐくみ、研究への意欲を高めることを目的に創設されました。第16回より「科学技術創造立国」の実現には、産学官の連携や若手技術者の育成が不可欠との考えから、企業の若手研究者・技術者も表彰対象に加えて、名称も「独創性を拓く 先端技術大賞」と改められました。
 
2022年7月14日に開催された授賞式の様子


<関連プレスリリース>
2016年3月28日
超軽量と高剛性を両立する炭素繊維構造材料を開発
https://www.toray.co.jp/news/details/20160328001168.html

2021年5月19日
放熱性に優れる炭素繊維複合材料を創出
-自在なヒートマネジメント設計を実現-
https://www.toray.co.jp/news/details/20210519001577.html


 
以 上