有識者調査委員会による調査報告書の受領および今後の対応について

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2022.04.12

東レ株式会社
 
 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)が2022年1月31日付で公表しました、UL LLC(以下「UL」)の認証登録における不適切な対応を行った件について、同日付で有識者調査委員会を設置し、徹底的な調査と原因究明を行ってまいりました。
 この度、同委員会より調査の結果判明した事実関係および再発防止策などを記載した調査報告書を受領しましたので、今後の東レの対応と合わせお知らせいたします。
 
1. 提言のポイントと東レの対応
東レは、有識者調査委員会よりの提言を真摯に受けとめ、以下の対応を行ってまいります。
  (1)  コンプライアンス意識の強化
コンプライアンス教育の強化
提言の趣旨を踏まえた民間認証・規格に関しても徹底した教育の全社展開。
品質保証への貢献度を評価指標に取り入れること
品質保証を含めたコンプライアンスへの貢献度をより重視する評価体系に見直す。
再発防止への取組状況の公表
再発防止策の実施状況を会社のウェブサイトなどで公表。
経営陣が本気度を示す行動を強化・継続すること
経営陣は常にコンプライアンスの重要性について発信するとともに、自己のコンプライアンスにおける責任・使命を宣言。
(2) UL対応に関する作業手順および教育体制の確立
業務フローや関与者の責任・役割の文書化、ならびにULルールの教育および東レの認証管理システムに対する第三者機関による検証・監査。
(3) 異なる事業に関する部門間での人事異動の実施、その他の交流の実施
事業分野をまたがる品質保証部署長の人事異動や経営レベルでの事業分野をまたがる人事異動の実施。異なる事業分野の役員・従業員が参加する本事案を教材とした研修の実施。
(4) 品質保証部門または外部機関がUL対応を確認する体制の構築
ULを含め認証業務における品質保証本部の具体的役割の文書化、および当該役割が実施されていることの第三者機関による検証・監査。
(5)  品質保証部門の組織体制の強化(品質保証本部、他の部門または社外機関による品質保証課の活動の監視・監督)
品質保証本部内における各部署への監査の仕組み構築、および社外機関による品質保証本部全体の業務監査を実施する。
(6) 不適正行為が東レの管理部門等に対して報告されるようにするための体制の構築
①  不適正行為の存在またはその疑いを認識した場合のルールの明確化
品質保証・製品安全管理規程に、提言内容(報告義務)の明記。
 内部通報制度の利用を促す体制の構築
内部通報制度の利用案内等への利用具体例の記載等の工夫。
品質保証部門による社内アンケート調査(一斉調査)の改良および継続
各従業員の回答が、自由記述欄まで含めて全て品質保証本部に直接届くようにするとともに、一斉調査においては、民間認証に関するルールの違反が調査対象に含まれることを具体的に記載。
 
2. 関係者の処分
  長期かつ組織的な本件不適正行為により、お客さまを含め社会へ甚大な迷惑をおかけし、会社の信用を著しく毀損した結果に対し、経営者としての責任を明確にすべく、ガバナンス委員会(社外取締役を委員長とした社外取締役が過半数の委員会)で責任者の範囲および処分内容を審議し、取締役会に答申します。
また、その他の不適正行為関与者に関しては、社内ルールに基づき、責任を明確にし、厳格に処分します。

 調査報告書において、コンプライアンス意識の強化として、経営陣が本気度を示す行動を強化・継続することを指摘いただきました。経営の最重要課題の一つである「倫理と公正」について、各現場に対して経営陣の姿勢が十分に示されていなかったと真摯に受けとめ、経営陣の意識・行動を変革してまいります。コンプライアンスは経営の最重要課題であることを東レグループの隅々まで浸透させるべく、経営陣が従業員に対して、あらゆる機会をとらえて直接本気度を届け、そして従業員からの声を直接聞く風通しの良い企業文化を醸成してまいります。
 製品の安全性に関しても、東レ製品を起因としてお客様の製品に問題が生じていないか急ぎ確認させていただいており、現時点で大きな問題を把握しておりませんが、今後も当該確認を加速して進めてまいります。
 また、UL以外の認証についても別途検証を行っており、問題があれば同様の対応を行ってまいります。
 上記の再発防止策の進捗状況、安全性の確認状況、UL認証の再取得状況等、今後も状況の進捗に合わせお知らせしてまいります。またその他公表すべき事実が判明しましたら、適宜公表してまいります。

 関係者の皆さまにはご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めまして深くお詫び申し上げます。上述しました対応を含め、再発防止を経営陣の責任の下、役員・従業員が一丸となって徹底的に遂行し、信頼を回復し、あるべき東レの姿を再び皆様にお示しできるよう努力してまいります。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 

【添付資料】 調査報告書 ・・・・・ 1部

 
UL認証登録状況の詳細については、以下の当社樹脂製品サイトの特設ページにて随時更新しています。
問い合わせ対応特設ページ :
(日本語) https://www.plastics.toray/ja/ul/ul_001.html
(英語) https://www.plastics.toray/ul/ul_001.html
(中国語) https://www.toray.cn/plastics/ul/ul_001.html


以 上