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世界最高レベルの高耐熱・高品位二軸延伸ポリプロピレンフィルムを創出 -加工温度120℃対応を実現、適用用途を大幅拡大-

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2021.03.17

東レ株式会社

東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、このたび、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムとしては世界最高レベルの耐熱性と品位を実現した新タイプ「トレファン®」を創出しました。本開発品は打痕、汚染リスクを極小化する高い品位を有し、120℃の高温環境でも使用することができます。今後、OPPフィルムの光学材料、電子部品向け用途の更なる拡大を推進してまいります。

 OPPフィルムは、離型性、低アウトガス性、紫外線透過性、低吸湿性等、様々な特性に優れ、包装用途に広く使われています。東レは、2018年にトレファン®の高品位・高平滑グレードを上市し、多数の光学材料、電子部品工程向けに採用されていますが、近年、IoT社会の発展に伴い、光学材料や電子部品の高性能化、高機能化に寄与するフィルムの耐熱性の向上が求められており、OPPフィルムの更なる適用には耐熱性の向上が課題でした。

東レはこれまで、OPPフィルムの抜本的な高品位化、高平滑化、高耐熱化に取り組み、アウトガス(*1)、フィッシュアイ(*2)を大幅に低減し、汚染や打痕リスクを極小化する品位を実現しており、また、フィルム表面の平滑性、及び耐熱性を自在に制御可能とする要素技術を開発しています。今回、耐熱性を自在に制御する要素技術を極限追求することで、従来のOPPフィルムと比較して高温弾性率を最大80%向上させ、さらに、収縮が開始する温度を40℃高温化した新タイプ「トレファン®」を創出しました。本開発品は打痕、汚染リスクを極小化する高い品位を有し、120℃の高温環境でも使用することができます。

 新タイプ「トレファン®」は、耐熱性を大幅に向上したことで、離型剤転写が許されない保護・支持体用途や低アウトガス性が必須となる蒸着・スパッタ保護用途、紫外線照射工程保護用途、低吸湿性が必須となる偏光板部材、感光性材料保護等、幅広い工業材料用途への適用が可能です。今後、用途拡大を積極的に推進し、光学材料、電子部品の高性能化、高機能化に貢献します。

 東レは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」との企業理念のもと、高機能・高性能な先端材料を生み出し続けることで、社会の発展や技術の革新に貢献していく所存です。

以上

<語句説明>
*1 アウトガス:水分や添加剤など、フィルム中から放出されるガス成分。
*2 フィッシュアイ:数十μm(50μm程度)以上の劣化ポリマー等による粗大突起。