1.東レ科学技術賞
松島 綱治氏 炎症制御因子研究を通した免疫難病治療への貢献
炎症は生体組織の損傷に対する生体防御機構の一つである。氏は炎症制御因子 IL-8 を発見し、炎症時の白血球浸潤の機序を明らかにした。さらに、炎症制御因子の研究を基盤として、成人 T 細胞白血病の治療薬の開発をはじめ免疫難病の治療に貢献したことが高く評価された。
野崎 京子氏 有機合成化学を基盤とする重合触媒の開発
氏は、医農薬などの低分子の精密合成に用いられる触媒的有機合成の手法を高分子合成に適用し、官能基含有ポリオレフィンや二酸化炭素を原料とする高分子などの新規高分子合成に顕著な業績を挙げた。これらの新材料は環境負荷が低い材料として幅広い応用が期待される。
2.東レ理科教育賞文部科学大臣賞
佐賀 達矢氏 身近な川でできる小さな自然再生の実践
高等学校の総合的な学習の時間において、生徒自らが身近な河川で「小さな自然再生」に取り組み、その効果の科学的検証を行う。学会等での発信、地域活動を通して生徒が大きな達成感を得ていること、および、人間活動から得られる利益と環境への配慮を総合的に学習する教育効果が高く評価された。