東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、サステナブルな社会の実現への貢献を目指し、回収PETボトルを繊維原料として再利用する取り組みを本格的に開始します。この取り組みを推進するため、「Together, We are the New Green」をテーマとした繊維事業のブランド「&+」(アンドプラス)を新たに設定しました。「&+」は、環境問題への高い関心を持つ消費者の共感を獲得し、東レの高付加価値PETボトルリサイクル繊維を介して、PETボトルリサイクル製品に関わる回収者・生産者・消費者が、相互に繋がることを促進することで、PETボトルリサイクルの活動を社会的なムーブメントに高め、循環型社会の実現への貢献を目指すものです。
本取り組みに向け、東レは多様な品種展開と高い白度、トレーサビリティ付与技術による信頼性が特長の高付加価値PETボトルリサイクル繊維の生産技術を開発しました。ファッションや高機能スポーツ、ライフウエア用途など、これまで機能性や感性、信頼性が課題となりPETボトルリサイクル繊維の使用が限られてきた分野でも使用することができます。
東レは、「&+」をPETボトルリサイクル活動のシンボルとして広く社会に訴求するとともに、消費者に対する国内外のリテーラーを通じたマーケティングにより、高付加価値PETボトルリサイクル繊維のグローバルな拡大を目指してまいります。
PETボトルリサイクル繊維は、これまで回収PETボトルからなる原料への混入異物により特殊な断面や細さの繊維の生産が困難で、糸種が定番品に限られる点や、PETボトルの劣化などによる黄ばみが原因となり、リサイクル原料を使った糸の白さが損なわれる点が課題でした。
これに対して東レは、PETボトルリサイクル原料に含まれる異物を除去するフィルタリング技術とPETボトルの高度な洗浄技術を有する協栄産業(株)とともに、異物と黄ばみを除去した高品位な原料の供給安定化に取り組みました。この原料と東レの繊維生産技術とを組み合わせることで、石油由来のバージン原料を使用した場合と同様に、PETボトルリサイクル繊維の品種の多様化と白度の向上を可能にしました。
また、PETボトルリサイクル繊維の展開には、回収PETボトルからなる原料の使用を証明する信頼性が重要です。東レは繊維原料に特殊な添加剤を使用する独自の「リサイクル識別システム」を新たに構築し、東レ製のPETボトルリサイクル繊維であることの検知を可能にすることで、信頼性向上を実現しました。
今後、糸・わたに加えてテキスタイルや縫製品までの多様なサプライチェーンと、グローバルな生産拠点を活用し、PETボトルリサイクルを通じたサステナブルな社会を実現するというテーマに共感いただけるお客様のニーズに対応できる供給体制を構築していきます。
東レは、地球環境問題や資源・エネルギー問題に対しソリューションを提供するグリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクトの中で、サステナブルな社会の実現に向けて、省エネルギーやバイオマス、リサイクルなどの幅広い分野で事業拡大に取り組んでいます。
今後も、革新技術・先端材料の提供によって、世界が直面する「発展」と「サステナビリティ」の両立をめぐる様々な課題解決に貢献してまいります。