東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)はこのたび、スウェーデンのエアバッグ縫製メーカー Alva Sweden AB(本社:スウェーデン王国ヴェストラ・イェータランド県モルンダル市、CEO:Lars Westerlind、略称「ASE」)の全株式を取得し、同社および同社の子会社であるAlva Confecções S.A.(所在地:ポルトガル共和国)ならびにAlva Tunisia SA(所在地:チュニジア共和国)(以下、「Alva(アルバ)社」と総称)を買収することを決定しました。
本件は、ASE社を100%所有するAB Anders Westerlind社との間で合意したものです。必要な公的承認が得られ次第、速やかにクロージングする予定です。
1.買収の背景
世界のエアバッグ市場は、先進国における安全規制強化や新興国における装着率拡大などを背景に需要拡大が続いており、今後も着実に成長すると予想されています。また、安全性能向上への対応や、自動運転など先進技術の進展による車内空間の劇的な変化に伴い、次世代エアバッグにおいては高性能化への要求が一段と高まっています。
東レのエアバッグ事業は、現在、原糸3極(日本、タイ、メキシコ)、基布6極(日本、タイ、中国、チェコ、インド、メキシコ)のグローバル拠点を有し、原糸・基布一貫による競争力と、全ての拠点から同品質の基布をタイムリーに供給できる強固な生産・販売体制を武器に、積極的に事業拡大を推進しています。
Alva社は1997年から欧州でエアバッグ縫製事業を展開しており、最新設備を活用した独自の縫製技術や生産ノウハウ、コスト競争力は、欧州の有力モジュールメーカーから高い評価を得ています。
2.買収の経緯と目的
東レはこれまでも基布供給を通じてAlva社と良好な関係を築いてきましたが、こうした市場の変化に即応してエアバッグ事業の継続的な成長を図るために、縫製事業への参入を通じたサプライチェーン延伸による一貫型事業の高度化を加速することを目的として、昨年来Alva社との間で同社買収の協議を進め、このたび合意に至りました。
本買収により、モジュールメーカーおよびそれを通じた自動車メーカーとの直接的な取り組みが強化され、最新のエアバッグ開発動向や顧客ニーズを迅速かつ確実に捉えることが可能となります。同時に、Alva社が持つ縫製の知見を基布設計に取り込み、原糸/基布/縫製一貫の強みを生かした製品開発力と提案力を強化することで、モジュールメーカーや自動車メーカーに対するプレゼンスを高め、高性能エアバッグの実現への貢献を目指します。
東レは、引き続き成長が期待されるエアバッグ市場の旺盛な需要とニーズに着実に応え、さらなる事業拡大を図ってまいります。