(*1)低分子医薬品:
化学合成により作られる一般的な医薬品。
(*2)TRK-950(東レ開発コード):
がん細胞に結合しこれを攻撃するモノクローナル抗体製剤であり、東レが欧米にて複数の固形がんを対象として臨床開発中です。
モノクローナル抗体とは:ヒト体内に侵入したウイルスやがん細胞などの異物に対して、免疫細胞の一種であるB細胞はこれを攻撃して排除するためにこれらに結合する抗体を生産します。モノクローナル抗体とは、これら異物の特定部位に結合する均一な性質をもった抗体のことであり、1種類のB細胞が生産する抗体のコピー(クローン)です。多くの抗体医薬製剤でこのモノクローナル抗体が用いられています。
(*3)臨床試験:
新薬候補物質を開発する際にヒトを対象として、その安全性および有効性を評価するための試験です。第I相試験において、ヒトにおける新薬候補物質の安全性、薬物動態を確認し、次いで、第II相試験および第III相試験において、新薬候補物質の安全性、用量反応性、および対照薬(プラセボを含む)との安全性ならびに有効性の比較検討を行います。がん治療薬の臨床開発では第I相試験からがん患者を対象としてこれらの検討が行われます。