東レグループは、2016年8月に単回使用心電用電極である「hitoe メディカル電極」と専用の心電計ケーブル及びリード「hitoe メディカルリード線」を一般医療機器として届出を完了し、さらなる製品改良を進めてまいりました。
本システムでは、メディカル電極、メディカルリード線の刷新(「hitoe メディカル電極Ⅱ」「hitoe メディカルリード線Ⅱ」)に加え、医療機器の製造販売を手がける株式会社メハーゲン(本社:福岡市博多区、社長:浦崎 忠雄)※3)と共同で、最大2週間無充電で連続心電測定が可能な「専用小型心電計(長時間心電図記録器 EV-301)」と「心電解析ソフトウェア(長時間ホルタ心電図解析ビュアー NEY-HEA3000)」を準備し、ユーザビリティーの高いウェアラブル心電図測定システムとしました。
メディカルリード線は、あらかじめ付属の専用ウェアに取り付けられており、測定準備の手間を低減させ、着用感を向上させました。さらに、着圧調整機能を付加したことで、一人ひとりの体形に左右されずに、適切な位置と密着性を得ることができ、快適性を損なうことなく長期間の心電図測定が可能な設計としました。
心房細動は最もよく見られる不整脈の一種で、国内患者数は100万人を超えると推定され、高齢化に伴ってさらに増加が見込まれています※4)。病気の初期では症状が間欠的に起こることが多く、発作性心房細動と呼ばれます。近年の研究では、発作性心房細動の検知率は心電図を長く測定するほど高くなることが知られており※5)、長期間快適に心電図を測定できる医療機器が望まれていました。
現在、標準的な手法である24時間測定で使用されている単回使用心電用電極の多くは、粘着材で皮膚へ固定されるため、長期間使用するとかぶれ、痒みなどの皮膚トラブルをひき起こす場合があります。
ポリエステルのナノファイバー生地を導電性高分子で特殊コーティングした柔らかい風合いの「電気を通すテキスタイル」である機能素材hitoe®を用いることで、長期間肌に密着してもかぶれにくいという特長があります。本測定システムによって患者の負担を軽減し、心電の再測定が不要になるなど、医療現場の効率性が高まることが期待されます。
東レグループは、新たに発売開始する「hitoe®ウェアラブル心電図測定システム」によって、心房細動の早期発見に貢献するとともに、今後もより良い製品と医療現場における様々な課題に取り組んでまいります。
以 上