東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、医療機器の研究開発企業であるAdvanced Catheter Therapies Inc.(アドバンスド・カテーテル・セラピーズ社、本社:米国テネシー州、社長:Paul J. Fitzpatrick、以下「ACT社」)が開発し、同社より特許及びノウハウの使用許諾に関するライセンスを取得した薬剤送達用カテーテルである「PRESSANA™(プレッサーナ)」について、米国Toray International America Inc.(東レ・インターナショナル・アメリカ、以下「TIAM社」)の販路で2017年10月末から販売開始いたしました。
当社は「ライフイノベーション事業拡大(LI)プロジェクト」の一環として、医療材事業の強化につながる開発品の導入を検討しておりました。PRESSANA™は、米国での調査活動の結果見いだした製品であり、東レのコーポレートベンチャリング子会社であるTAM Venturesを通じた戦略投資を経て、2016年4月に製造及び販売に関するライセンスを取得し販売準備を進めて参りました。
PRESSANA™は、柔軟な閉塞バルーンにより隔離された薬剤投与部を形成し、末梢血管の治療時に用いる種々の治療薬および診断薬を動脈へ直接注入することが可能です。薬剤投与部に光ファイバーを利用した圧力センサーを備えたことで、薬剤投与量の調節を容易にし、動脈壁への浸透効果を高めると同時に血管損傷のリスク軽減が期待できます。また、3mmの細径を含むサイズ展開と、1回の治療で複数箇所に使用できるという特長から、医療現場に新しい選択肢を提供し、医療費の削減につながる可能性があります。
アメリカでの販売開始を皮切りに、今後日本国内および他国での販売に関する許認可の取得を進め、事業拡大を目標とします。
東レは、中期経営課題“プロジェクトAP-G 2019”における全社プロジェクトの一つとして、東レグループのコア技術・要素技術や事業基盤を活用し、医療の質向上や医療現場の負担軽減、健康長寿などに貢献する「ライフイノベーション事業拡大(LI)プロジェクト」に取り組んでいます。
今後も、注力領域としている末梢血管治療機器の開発・販売を通じて、人々が健康で生き生きとした毎日を送ることに貢献してまいります。