東レ・メディカル株式会社(本社;東京都中央区、代表取締役社長:田辺信幸)は、アンセル社(本社:米国ニュージャージー)が製造するアレルギーマネジメントに特化した新しい手術用手袋「センシタッチ・プロ・センソプレン®・ソフト」を、国内の製造販売元として7月より発売開始致します。
手術用手袋 センシタッチ・プロ・センソプレン®・ソフト(管理医療機器 認証番号;229ADBZX00011000)は原材料に天然ゴムを使用せず、合成ゴム(クロロプレンゴム)を主原料としており、ラテックスアレルギー※1の原因物質である天然ゴムラテックス蛋白を含んでいないため、ラテックスアレルギーのリスクがありません。また手袋の製造時に使用され、高頻度に発症するアレルギー性接触皮膚炎の原因となる加硫促進剤を※2一切使用しない技術を導入した手袋です。センシタッチ・プロ・センソプレン®・ソフトは、2013年より販売を開始したセンシタッチ・プロ・センソプレン®、2015年より販売を開始したセンシタッチ・プロ・センソプレン®・グリーンの製造ノウハウを活かしています。人間工学に基づいた手型を採用、手袋製造工程を工夫し、操作性や装着感、耐久性の向上を実現(当社従来品比)致しました。
感染対策の意識が高まり、手術用手袋を医療現場等の様々な場面で装着することが増えてきた中、天然ゴム手袋の原材料に由来するラテックスアレルギー(即時型、Ⅰ型アレルギー)の問題が注目されています。ラテックスアレルギーは天然ゴムに含まれる蛋白質に繰り返し触れることで引き起こされるアレルギー反応で、丘疹、腫脹、蕁麻疹、喘息などの様々な症状を引き起こし、重篤な場合はアナフィラキシーショックを引き起こす危険性があります。
特に手袋に塗布されているパウダーがアレルゲンのキャリアになることや、肉芽腫や術後癒着の形成リスクを高める恐れがあることを受け、2016年12月27日に厚生労働省より、2018年末までにパウダー付き手袋の供給切り替えを行う安全通知が発出されました。また、天然ゴム製品が医療現場のみならず広く一般的に使用されていることから、2017年3月31日付けで消費者庁、厚生労働省、経済産業省からも天然ゴム製品やラテックスアレルギーについての注意喚起の案内※5が出されました。
したがって今後医療現場において、パウダーやラテックスが含有されていない合成ゴム手袋への切り替えを行うなど、患者様のために安全な医療用手袋を使用する必要性が高まると考えられております。
また、天然ゴム・合成ゴム手袋双方に含有されている加硫促進剤によるアレルギー性接触皮膚炎(遅延型、Ⅳ型アレルギー)が増加しています。経皮感作による食物アレルギーの発症事例が報告されている中で、頻回な手洗いや手術用手袋による様々な接触皮膚炎は、医師、看護師にとって深刻な問題であると考えられています。
この度発売を開始するセンシタッチ・プロ・センソプレン®・ソフトはこの加硫促進剤を使用しないアンセル社の技術で、合成ゴムでありながら、柔らかい質感とフィット感を兼ね備え、遅延型アレルギー対策、医療従事者の皆様の手荒れ対策が実施された画期的な手術用手袋です。
今後、両社は共同で手術用手袋に関わるアレルギーマネジメントを考え、より良い製品と医療現場における様々な課題に取り組んでまいります。