東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、イタリアのAVIO SpA(本社所在地:ローマ、以下「アヴィオ社」)と、同社が打上げロケット用途に使用する炭素繊維トレカ®について、最長2027年まで(オプション含む)供給する長期契約を締結しました。
アヴィオ社はイタリアの航空宇宙関連企業で、アリアンスペース社が打上げ・運用する小型ヴェガロケット及び大型アリアン5ロケットの主要部品の製造を担当しています。東レは、現在フランスの現地子会社Toray Carbon Fibers Europe S.A.を通じて、アヴィオ社に高強度炭素繊維を供給していますが、今回の長期供給契約に基づき、新たに同社が開発に参画するアリアン6ロケットやヴェガCロケット等の次世代ロケットのモーターケース向けにも炭素繊維の供給を拡大します。
近年、放送・通信、測位(GPS)、地球観測、防災など様々な分野での人工衛星の活用拡大に伴い、打上げ用ロケットの需要も年々増加しています。打上げコスト削減及び高性能化の要求から今後ますます複合材の採用拡大が見込まれており、東レは高機能炭素繊維の更なる開発・供給を通じて、宇宙分野の拡大を推進します。
東レは、中期経営課題"プロジェクト AP-G 2019"において、炭素繊維複合材料事業を中長期に亘って収益拡大を牽引する「戦略的拡大事業」と位置付けています。今後も重点的に経営資源を投入することにより、航空機用途をはじめとする同事業のグローバルな拡大を目指します。