東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)はこの度、タイにある子会社タイ・トーレ・シンセティクス(Thai Toray Synthetics Co., Ltd. 略称:「TTS」、本社:タイ・バンコク、社長:橋本浩二)の樹脂コンパウンド拠点であるバンコク工場においてPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂コンパウンドの生産設備を新設します。約5億円を投じて年間3,000トンの設備を導入し、2016年10月から稼働開始予定です。
タイはアセアン地区において最大のPPS樹脂需要国ですが、タイ現地でのPPS樹脂コンパウンド拠点の設置は当社が初となります。
PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性等に優れた「スーパーエンプラ」で、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品等に使用されており、採用領域はさらに拡大しています。
東レグループではこれまで、アセアン地区のPPS樹脂需要に対して、日本および中国からの輸出で対応していましたが、同地区は今後も自動車用途を中心に需要の拡大が期待されることから、現地生産化のメリットを活かした安定供給、リードタイム短縮、在庫・デリバリー等の機能強化によりさらなる拡販を目指します。
加えて、アセアンにおける現地発信型の技術開発拠点として、2013年にTTSバンコク工場内に開設した樹脂テクニカルセンターでは、ナイロンやPBTの各樹脂に対応する射出成形機に加えて、PPS樹脂用の射出成形機及び開発に必要とされる各種2次評価機器を新たに導入しました。これにより、きめ細やかな技術サービスを、よりスピーディに同地区に提供して参ります。
また、同センターではすでに、押出成形機を活用して自動車部品メーカー等と共同で現地発の新規材料開発にも着手しており、需要地である現地のニーズに対応した開発体制も拡充していく考えです。
東レは、今年4月から韓国にて年産8,600トンのPPS樹脂生産設備を新設し、従来からある東海工場とあわせて年産27,600トンの生産能力を有する世界最大のPPS樹脂メーカーです。
今回のタイでのコンパウンド拠点設置により、今後も、世界ナンバーワンPPS樹脂メーカーとしての地位をさらに確固たるものとしていく所存です。