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トップアスリート向け競技用義足を新開発 ~ 国内3選手が新製品として活用 ~

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2016.07.11

株式会社Xiborg
東レ株式会社
東レ・カーボンマジック株式会社
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所

 株式会社Xiborg(サイボーグ、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:遠藤謙、以下「Xiborg」)は、東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺昭廣、以下「東レ」)、東レ・カーボンマジック株式会社(本社:滋賀県米原市、代表取締役社長:安藤伸哉、以下「東レ・カーボンマジック」)、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(本社:東京都品川区、代表取締役:北野宏明、以下「ソニーCSL」)と共同で、トップアスリート向け競技用義足の板バネを新開発し、競技用義足「Xiborg Genesis (サイボーグ ジェネシス)」を製品化しました。
 このプロジェクトは2015年に始まり、国内T44クラス(注1)のトップ3選手である、佐藤圭太選手(トヨタ自動車)、春田純選手(ウォーターワークス)、池田樹生選手(中京大学)に提供を始めました。

 Xiborg Genesisは、下腿義足ユーザの身体や義足走行のバイオメカニクスなどをソニーCSLが主体となって研究し、その研究成果に基づいて、Xiborgが、東レ、東レ・カーボンマジックと共に走行性能を向上させる材料や形状などを最適化したカーボン繊維強化プラスチック製(CFRP)の板バネを開発し、採用したものです。

 今後も四社は義足ランナーがより速く走るためのメカニズムの解析や、義足の最適化を通じてトップアスリートの走りをサポートしてまいります。

注1:IPC(国際パラリンピック委員会)が定める「国際クラス分け基準」により障害別にクラス分けされるもので、T44クラスは「片側の下腿部(足底 50%以上 切断を含む)を切断しており義足を装着して競技するもの」です。

■ Xiborg Genesis概要

Xiborg GenesisはXiborgに所属する3名の走りから生まれたトップアスリート向けのスポーツ用義足です。
所属選手3名の走りをモーションキャプチャシステムによって計測し、地面から最適な力を受ける形状を採用しました。また、その性能を実現するために、カーボン繊維の選定とその積層構成を何度も行い、生まれたのがGenesisです。
そしてGenesisを装着した3名の選手を元オリンピアンの為末大コーチが指導しており、好成績を収めています。

■ 佐藤圭太選手 プロフィール

1991年7月生まれ、静岡県出身。177センチ、68キロ。
中学3年までサッカー。中学3年の時に「ユーイング肉腫」を発病して右膝から下を切断。
静岡・焼津中央高時代に陸上を始め、中京大3年の時にロンドン・パラリンピック出場。
2年間の同大職員をへて今春、トヨタ自動車入社。
自己ベストは100メートル11秒82(アジア/日本記録)、200メートル23秒85。

■ 春田純選手 プロフィール

1978年7月生まれ、静岡県出身。 174センチ、63キロ。
15歳の時に「ユーイング肉腫」を発病して左膝から下を切断。
24歳の時に義肢装具士の沖野氏と出会い陸上を勧められたのが走り始めたキッカケ。
ロンドン・パラリンピック出場(400メートル4位入賞)
自己ベストは100メートル11秒95

■ 池田樹生選手 プロフィール

1996年12月16日生まれ、愛知県出身。175センチ、64キロ。
先天性の障害で右下の膝下と右腕の肘から先がない。
高校から陸上競技を始め、100メートルと400メートルが専門。(中学時代はバスケ部)
2016年6月のジャパンパラ大会にて400メートル57秒40で日本新記録を樹立。
自己ベストは100メートル12秒19 、400メートル57秒40

代表取締役:遠藤謙
2014年5月創業。障がい者、健常者、高齢者などの枠を取払い、だれもがカラダを動かす事に喜びを感じられるような社会を創造する事を目指す。
「2020年東京オリンピック・パラリンピックにてパラリンピック100m走の勝者がオリンピック勝者よりも早いタイムでゴールする」ことを目標に、競技用義足の開発とアスリートのトレーニングを行うチーム運営を実施。

代表取締役社長:日覺昭廣
1926年設立。有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーをコア技術とし、繊維事業、プラスチック・ケミカル事業などの基幹事業に加え、情報通信材料・機器事業、炭素繊維複合材料事業、水処理・環境事業、ライフサイエンス事業などを、世界26ヶ国・地域でグローバルに展開している。

代表取締役社長:安藤伸哉
長年のレーシングカー開発で培った軽量化設計・複合材加工技術と東レが持つ先端複合材要素技術を融合させ、様々な用途の製品・部材の性能・機能向上に取り組む。精密・複雑な部品から大きな構造物まで、設計・解析から試作・量産まで、一貫開発・生産体制で高付加価値製品を実現している。

代表取締役社長:北野宏明
1988年に設立されたソニーの研究所。新たな研究領域や研究パラダイム、新技術や新事業を創出し、人類・社会に貢献することを目的としている。現在は、 農業、都市計画、エネルギー、そして医療などの社会課題を扱うグローバル・アジェンダ、そして人間の能力拡張(Human Augmentation/Creativity)を主な研究テーマとしている。