東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、このたび、アセアンのフィルム市場を対象に、東レグループのタイにおける商事子会社Toray International Trading (Thailand) Co., Ltd. (トーレインターナショナルトレーディング・タイランド社、略称「TITH」)にて、フィルム製品の在庫管理から流通サービス、原反の加工などを一括で管理するワンストップサービスの提供を4月から開始しました。
タイ現地パートナー企業とのアライアンスの下、物流拠点を拡充し、コンテナ単位の原反販売だけでなく、小口配送対応や、材料サイズのカスタマイズといった一次加工にも対応することで、エンドユーザーに付加価値のある提案とタイムリーなデリバリーを可能にしています。
日系のフィルム原反メーカーとしては初となる今回の取り組みにより、アセアンでの工業・包装用フィルム市場向けの売上高を、2018年度に40億円、2020年には80億円へと拡大していく計画です。
東レはアセアン市場において、既に工業用途・包装用途でポリエステルフィルム「ルミラー®」始め、フィルム加工品の製造・販売を展開しています。従来の商流は、日本国内、タイ、マレーシア、韓国などの東レグループで生産したフィルムの原反を、コンテナ単位で複数の専門商社に販売し、専門商社から個別販売代理店や加工業者を経て、エンドユーザーの元へ届けるというものでした。
一方、東南アジアは、2015年末に「アセアン経済共同体(AEC)」が発足し、域内人口は欧州連合(EU)を上回る計6億2000万人、域内総生産が2兆5000億ドル(約300兆円)に達する巨大な経済圏となりました。今後は自動車や電気材料の他、スマートフォン用の部材、回路周辺材市場の拡大が見込まれおり、これらの市場の変化や製品の高機能・高品質化のスピードに追随するためには、今まで以上にきめ細やかなサービスが必要になってくることは明白です。
今回の取り組みは、市場におけるそのような動向を捉えたものであり、広範かつ多岐に渡る現地顧客のニーズに応え満足度を向上させるとともに"アジア付加価値フィルム製品"の迅速な開発と提供を実現していく考えです。
東レは、持続的に事業収益拡大を実現する企業グループへの飛躍を目指し、中期経営課題"プロジェクトAP-G2016"の基本戦略の一つとして、「営業力強化」を推進しています。
今回も、サプライチェーンを高度化することにより顧客満足度の向上を目指す「営業力強化」の一環であり、今後も、提案(ソリューション)営業を徹底するとともに、サプライチェーン全体を捉えた事業戦略を策定して、グローバルに事業拡大を進めてまいります。