東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)および東レ・カーボンマジック株式会社(本社:滋賀県米原市、社長:安藤伸哉、以下「TCM」)は、去る2月12日(金)、タイ王国チョンブリ県シラチャのSahaグループ工業団地内にて、炭素繊維複合材料成形部品の製造子会社であるCarbon Magic (Thailand)Co., Ltd. (カーボンマジック(タイランド)、所在地:タイ王国チョンブリ県、社長:礒井伸也、以下「CMTH」)新工場の開所式を開催しました。
開所式には、元首相である枢密院議員のスラユット・チュラーノン閣下や、在タイ日本国大使館・佐渡島志郎特命全権大使をはじめ、炭素繊維関係のお客様など約180名の出席がありました。
今回のCMTH新工場は、2014年5月に発表したTCMおよびCMTHの生産能力増強の一環です。2014年12月竣工のTCM新社屋による機能拡充に加え、CMTHにおいては、Sahaグループから新たに賃借した約22,000m2の敷地内に、成形から塗装までの一貫量産工場を新設しました。
TCMとそのタイにおける生産拠点であるCMTHは、2013年4月に童夢グループから東レグループの傘下に加わって以降、TCMの優れた設計技術力とCMTHの量産コスト競争力に、東レの高品位材料競争力が加わったことで市場からの評価・期待がより高まっています。
この度のTCMとCMTHの増強は、プレミアムカーや二輪バイクなど従来からの得意分野だけでなく、航空機や列車、さらには車椅子や義足といった新規分野でも設計・試作・量産依頼が急増していることから、これらの市場のニーズへ対応していくためものです。
東レグループでは、TCMをコンポジット事業の中核拠点として位置づけ、独Euro Advanced Carbon Fiber Composites GmbH (EACC)や米国Plasan Carbon Composites, Inc. (PCC)といった海外コンポジット拠点と連携して、自動車分野に留まらずCFRP部品の市場開拓・適用拡大を目指しています。
さらには、2014年2月に東レグループに加わったZoltek Companies, Inc.のラージトウ炭素繊維や、2015年に相次いで子会社化したComposite Materials (Italy) s.r.l (CIT)およびDelta Tech S.p.Aとその子会社Delta Preg S.p.Aといったイタリアのプリプレグ製造拠点を含め、川上の炭素繊維から川中の中間基材、川下のCFRPコンポジットに至るサプライチェーンを拡充して参ります。
東レグループは、2014年度にスタートし、2016年度の完遂を目指している中期経営課題"プロジェクト AP-G 2016"において、環境問題や資源、エネルギー問題の解決に貢献する事業の拡大に取り組む「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を、全社横断のプロジェクトとして進めています。
自動車や航空機などの軽量化による燃費の向上やCO2排出量削減に貢献する炭素繊維複合材料事業は、このGRプロジェクトの中核であり、東レグループは今後も、同事業の拡大を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。