Carbon Magic (Thailand) Co., Ltd.新工場の開所式開催について

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2016.02.15

東レ株式会社

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)および東レ・カーボンマジック株式会社(本社:滋賀県米原市、社長:安藤伸哉、以下「TCM」)は、去る2月12日(金)、タイ王国チョンブリ県シラチャのSahaグループ工業団地内にて、炭素繊維複合材料成形部品の製造子会社であるCarbon Magic (Thailand)Co., Ltd. (カーボンマジック(タイランド)、所在地:タイ王国チョンブリ県、社長:礒井伸也、以下「CMTH」)新工場の開所式を開催しました。
 開所式には、元首相である枢密院議員のスラユット・チュラーノン閣下や、在タイ日本国大使館・佐渡島志郎特命全権大使をはじめ、炭素繊維関係のお客様など約180名の出席がありました。

 今回のCMTH新工場は、2014年5月に発表したTCMおよびCMTHの生産能力増強の一環です。2014年12月竣工のTCM新社屋による機能拡充に加え、CMTHにおいては、Sahaグループから新たに賃借した約22,000m2の敷地内に、成形から塗装までの一貫量産工場を新設しました。
 TCMとそのタイにおける生産拠点であるCMTHは、2013年4月に童夢グループから東レグループの傘下に加わって以降、TCMの優れた設計技術力とCMTHの量産コスト競争力に、東レの高品位材料競争力が加わったことで市場からの評価・期待がより高まっています。
 この度のTCMとCMTHの増強は、プレミアムカーや二輪バイクなど従来からの得意分野だけでなく、航空機や列車、さらには車椅子や義足といった新規分野でも設計・試作・量産依頼が急増していることから、これらの市場のニーズへ対応していくためものです。

 東レグループでは、TCMをコンポジット事業の中核拠点として位置づけ、独Euro Advanced Carbon Fiber Composites GmbH (EACC)や米国Plasan Carbon Composites, Inc. (PCC)といった海外コンポジット拠点と連携して、自動車分野に留まらずCFRP部品の市場開拓・適用拡大を目指しています。
 さらには、2014年2月に東レグループに加わったZoltek Companies, Inc.のラージトウ炭素繊維や、2015年に相次いで子会社化したComposite Materials (Italy) s.r.l (CIT)およびDelta Tech S.p.Aとその子会社Delta Preg S.p.Aといったイタリアのプリプレグ製造拠点を含め、川上の炭素繊維から川中の中間基材、川下のCFRPコンポジットに至るサプライチェーンを拡充して参ります。

 東レグループは、2014年度にスタートし、2016年度の完遂を目指している中期経営課題"プロジェクト AP-G 2016"において、環境問題や資源、エネルギー問題の解決に貢献する事業の拡大に取り組む「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を、全社横断のプロジェクトとして進めています。
 自動車や航空機などの軽量化による燃費の向上やCO2排出量削減に貢献する炭素繊維複合材料事業は、このGRプロジェクトの中核であり、東レグループは今後も、同事業の拡大を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。

以 上
<開所式での日覺社長ご挨拶要旨>
日時
2016年2月12日(金)11:00~12:00
場所
CMTH新工場内・式典特設会場

 東レ(株)は1926年に日本の滋賀県で設立され、今年の4月に創業90周年を迎える総合化学企業です。
 東レグループは1963年に初めてタイに進出し、これまで繊維、樹脂、フィルムなどの事業を展開しています。
 1994年にはタイ東レ科学振興財団を設立し、タイの科学技術振興にも貢献してきました。
 近年では2011年の大洪水で一部の工場が被害を受けましたが、それを乗り越え、タイにおける東レグループの歴史は半世紀以上にわたって続いています。
 2013年3月には、バンコクで東レグループのタイ事業50周年記念式典を盛大に開催し、その席上で私自身が、タイにおける炭素繊維コンポジット事業への参入を発表しました。それが、本日新工場の開所を迎えたCarbon Magic (Thailand) Co., Ltd. (CMTH)です。

 CMTHの前進であるDome Composites (Thailand) Co., Ltd.は、2005年9月に、この地、タイ王国チョンブリ県に設立されました。親会社である童夢・カーボンマジック(株)(現:東レ・カーボンマジック(株)(TCM))と分業を行い、レーシングカーを中心とした炭素繊維コンポジット部品の生産を行ってきました。
 2013年4月に東レが両社を買収してからは、レーシングカーに加えて、自動車、オートバイ、航空機、医療機器、鉄道など、販売量と用途を大きく拡大し、この度のCMTH新工場の建設に至りました。
 タイでの工場拡張に先立ち、親会社であるTCMでも新工場を建設し、東レグループの炭素繊維コンポジット事業は用途拡大の新しいステージに入りつつあります。

 私どもは、全ての製品のもととなる素材には、社会を本質的に変える力があると信じています。
 中でも、炭素繊維は、1971年に当社が初めて商業化に成功し、今では世界トップシェアを握る重要な戦略的製品です。ボーイング社が開発した、オール・コンポジットの航空機である787型機はその代表的な成功例と言えます。
 自動車業界では、電気自動車や水素自動車の普及に伴い、さらなる軽量化に向けて炭素繊維コンポジット採用の気運が高まってきています。
 このように、素材メーカーである東レの技術力を象徴する製品である炭素繊維コンポジットを、タイ王国、チョンブリ県の皆様と手を携えて拡大していくことは、私どもにとってこの上ない喜びです。

 創業90周年を迎える記念すべき年に、当社の未来を担う先端材料の新工場が開所されることを大変うれしく思うとともに、役員・従業員一同、身の引き締まる思いです。
 この新工場が、タイ王国ならびにチョンブリ県の経済の一層の活性化、雇用の拡大にお役に立てるものと確信しています。

以 上

<会社概要>
1.TCMについて
(1) 会社名 東レ・カーボンマジック株式会社
英文名:Toray Carbon Magic Co., Ltd. (略称:TCM)
(2) 所在地 滋賀県米原市
(3) 設立 2013年4月(旧童夢カーボンマジック(株)の設立は2001年10月)
(4) 代表者 代表取締役 安藤 伸哉
(5) 資本金 4億8750万円(東レ100%)
(6) 事業内容 コンポジット材料に関する調査・研究・開発、
コンポジット製品の調査・企画、設計・試作・開発・製造・販売
2.CMTHについて
(1) 会社名 Carbon Magic (Thailand) Co., Ltd 
(カーボンマジック(タイランド)、略称:CMTH)
(2) 所在地 タイ王国チョンブリ県シラチャ
(3) 設立 2013年5月
(旧Dome Composites (Thailand) Co., Ltdの設立は2005年9月)
(4) 代表者 代表取締役 礒井 伸也
(5) 資本金 5億9000万バーツ(東レグループ75%、Sahaグループ25%)
(6) 事業内容 カーボン・コンポジット製品の生産、および関連する生産技術の開発
以 上