東レ株式会社(本社：東京都中央区、社長：日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、人工皮革事業のグローバル展開を進めるにあたり、新しいブランド戦略を策定しました。
当社が展開する市場のグローバル化に対応するため、“Alcantara®"(アルカンターラ®)と“Ultrasuede®"(ウルトラスエード®)を東レの人工皮革のグローバルブランドと位置づけ、世界全ての地域、全ての用途に展開していきます。“Alcantara®"ブランドは 「メイド・イン・イタリア」、“Ultrasuede®"ブランドは 「メイド・イン・ジャパン」 として、両ブランドの生産地による製品やコンセプトの違いを明確にするとともに、“Alcantara®"ブランドはAlcantara S.p.A.(本社:イタリア共和国ミラノ市、社長:Andrea Bragno(アンドレア・ボラーニョ)、以下「アルカンターラ社」)、“Ultrasuede®"ブランドは東レのエクセーヌ事業部が、それぞれ主体となって販売します。また、従来からご愛顧いただいている“Ecsaine®"(エクセーヌ®)ブランドについては、自動車用途を除く(※)、ファッションやインテリア他の用途で日本国内のお客様向けに引き続き展開して参ります。
東レの人工皮革は、東レの故・岡本三宜博士が1970年に開発した独自の超極細繊維生産技術をベースにしています。その後、40年を越える歴史の中で、それぞれのブランドが独自のアイデンティティを形成してきました。製品についても、基盤となる技術は共通ですが、製品の設計についてはそれぞれの市場要求もあり、独自の展開となっています。
アルカンターラ社は、紡糸から染色仕上げまで一貫の生産拠点をイタリア(工場はローマ近郊に立地)に置き、製品は「メイド・イン・イタリア」が重要なコンセプトです。イタリア独自の技術ノウハウ、生産、研究開発、サステナビリティ、また、テイラーメイド型のソリューション提案によるマーケティングが特徴です。 さらには、イタリア人主体のマネジメントによって、“Alcantara®"ブランドは繊維素材には珍しい、欧州のラグジュアリーブランドとして世界に通用する独特のポジションを構築して参りました。今後はこのアイデンティティをさらに強化しながら、グローバルな市場への展開を拡大して参ります。日本市場においても、新しいブランド戦略に基づき、イタリアからの直接マネジメントによる販売活動を進めていく方針です。
一方、“Ultrasuede®"ブランドは、米国で育ったブランドとしてこれまで米国市場での展開が主でしたが、今後はグローバルブランドとして中国、欧州、新興国を含め全ての地域で展開します。製品は日本国内生産とし、東レのエクセーヌ事業部が販売します。東レのコーポレートブランドとともに、先端テクノロジーによる斬新で多彩な商品開発や、「メイド・イン・ジャパン」のクールなイメージをブランドアイデンティティとするコンセプトで訴求していく方針です。また、リサイクル原料、バイオ原料を用いた製品の開発・販売等、環境配慮型の面も訴求して参ります。
東レは今後も、「先端材料とグリーンイノベーションで世界に飛躍する」という長期経営ビジョン「AP-Growth TORAY 2020」の方針に則り、高機能かつ高感性の先端材料を提供し続けることで、創業以来の東レグループ企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に向け、企業としての活動を推進して参ります。
新しいブランド戦略に関する概要は下記の通りです。
