東レフィルム加工株式会社(本社:東京都中央区、社長:玉造 稔、東レ94.41%出資、以下「TAF」)は、去る2011年5月に台湾・高雄市に表面保護フィルムの製造・販売会社である「東麗尖端薄膜股份有限公司」(略称 TAFK)を設立しました。
そしてTAFKは昨1月23日、台湾・高雄市の南部サイエンスパーク高雄園区において、同社新工場の竣工式を執り行い、東レの日覺昭廣社長、TAFの玉造社長をはじめ関係者が多数出席しました。式にはご来賓として、台湾側からは台湾政府経済部(経済省に相当)の杜紫軍次長、高雄市 陳菊市長、南科管理局 陳俊偉局長、日本側からは日本交流協会高雄事務所 野中薫所長、高雄日本人会 小出弘一会長をはじめ、政府・官庁関係、ユーザーなど約120名をお迎えし、関係者約30名を加えた総勢約150名が参加しました。
TAFKは、TAFが開発・製造するポリエチレン系自己粘着性表面保護フィルム“トレテック®"の製造・販売会社であり、新工場は当初予定を1ヶ月前倒し、昨年12月より生産を開始しました。本年夏までに生産能力を年間17,000トンまで拡大する計画です。なお、同社は東レグループのフィルム事業にとって初めての台湾事業進出であるとともに、“トレテック®"初の海外生産となります。
表面保護フィルムは、液晶ディスプレイ(LCD)をはじめとする各種光学用フィルムの製造時に工程補助・保護などを担う工程紙や、プラスチック板の表面保護フィルムなど幅広く使用されています。近年は、LCDバックライトのLED化の進展に伴い、その必須部材である輝度向上フィルムや導光板向けを中心に、アジアを主軸に世界で需要が拡大しており、供給能力の増強が求められてきました。
TAFKによる“トレテック®"の現地生産は、こうしたニーズに対応するものであり、主な用途である液晶テレビの完成品や部材メーカーが多く集まる台湾の主力メーカーからの強い要請や、台湾における法人税減税による企業優遇策、および台湾・中国間のECFA(両岸経済協力枠組協議)締結による輸出競争力向上などを勘案して実現したものです。
東レグループは、TAFKを成長市場のアジア・新興国におけるフィルム加工事業の橋頭堡と位置づけ、安定供給体制を確立することでお客様対応の強化を図ります。同時に成長領域である情報通信分野向けの新製品開発を推進し、フィルム事業のさらなる拡大を目指します。