先端融合研究所

先端融合研究所は、バイオテクノロジーおよびナノテクノロジーを中心とした先端的基礎研究を強力に推進していくため、2003年5月に設立され、バイオ生産(バイオマス変換プロセス)、革新的癌免疫治療薬、バイオツール(DNAチップ、多項目タンパク質チップ)、ナノ材料などの研究を行っています。

研究方針

  1. 新しい価値の創造のための本質的な先導的研究
  2. 外部との連携による研究の視野拡大(異分野融合と自前主義脱却)
  3. 自由な発想での研究推進
先端融合研究所

先端融合研究所

※日経優秀先端事業所賞受賞/神奈川県建築コンクール奨励賞受賞

先端融合研究所は、21世紀の当社発展を担う事業創出につながる基礎研究の強化・充実およびバイオ・ナノテク研究の推進を主な狙いとして上記3つの研究方針のもとに設立され、バイオテクノロジーとナノテクノロジーおよびナノ・バイオ融合領域の研究を積極的に進めています。具体的な研究対象としては、「健康・予防」分野で革新的癌免疫治療薬、疾患の存在、進行度の指標となるバイオマーカーの分析により次世代診断を目指すバイオツール(DNAチップ、多項目タンパク質チップ)、ナノ材料機能化(高感度検出技術)、「環境・エネルギー」分野でグリーンバイオプロセス(バイオと膜技術を融合したバイオマス変換プロセス)、などです。これらの研究成果として、高感度DNAチップ 3D-Gene®(研究用)を上市しました。また、癌抗体医薬TRK-950を創出し、複数の癌種に対する臨床試験を欧米で推進中です。この他に、成長領域(サステナビリティイノベーション事業、デジタルイノベーション事業)への挑戦も、先端融合研究所の役割となります。さらに、これらの波及効果として、当社のコア事業である繊維や化成品分野に対し、革新技術の萌芽を提供することも先端融合研究所の重要な使命であると考えています。
また、本研究所では、毎年関連分野の社外有識者をお招きして開催する先端融合研究シンポジウムを通して、社外研究機関との連携を推進しています。

研究分野

研究分野

研究・開発の歩み(抜粋)

2003 先端融合研究所設立
バイオポリマー原料、癌免疫治療、DDS、DNAチップ、タンパク質解析チップの研究開始
2004 タンパク質分画・プロテオーム解析の研究開始
2005 当社有機分離膜を利用したバイオプロセス研究開始
先端技術大賞・産経新聞社賞受賞(高感度DNAチップ)
2006 高感度DNAチップ 3D-Gene®(研究用)の実用化
日本化学会技術進歩賞受賞(高感度DNAチップ)
2007 日本化学会技術進歩賞受賞
(タンパク質分画デバイス・プロテオーム解析)
2009 日本化学会技術進歩賞受賞(タンパク質解析チップ)
2010 膜利用発酵プロセスの基本技術確立
日本農芸化学会 トピックス賞受賞(D-乳酸発酵酵母)
2014 日本化学会技術進歩賞受賞(膜利用糖化技術)
癌・認知症の血中マイクロRNA検査大型研究開始
2016 タイにおける膜利用糖化プロセス技術実証開始
癌抗体医薬「TRK-950」の臨床試験開始
2018 タイで膜利用糖化実証設備竣工/実証運転開始(NEDO事業)
2020 Toray Thailand Research Laboratory 設置(バイオマス変換プロセス)