トラブルを乗り越え、
お客様から
大きな信頼を獲得

倉本 将秀
営業 / 繊維事業本部 産業資材事業部 課長 / 1997年入社

私の業務は、国内においては産業用ナイロン糸2,000t/月の事業運営(営業活動や将来の計画立案、新用途開拓)を任されるとともに、海外においてはエアバッグ事業のヘッドクォーターとして海外関係会社5社におけるエアバッグ事業を統括しています。担当している素材の用途が広範囲(エアバッグ、カーペット、漁網、船舶ロープ、建築関連、鞄など)に渡るため、常に各業界の動向にアンテナを張っている必要があります。
例えば、震災復興需要として漁網関連の需要が増加したり、急激な円安により日本の造船業が回復すると船舶ロープが売れ出したりするなど、日々のニュースに連動した動きが自分の商売に出てくるため興味深いです。最も注力しているエアバッグ用途は、人命に関わる重要安全部品であり、先進国型繊維事業でありながらも需要が大きく増加している用途です。
お客様は日系メーカーのみならず欧州や米国系メーカーにも販売しています。対象市場が大きく、世界を舞台に競合他社としのぎを削りながら拠点戦略や顧客戦略を立てていくため、得られる達成感は他の用途より大きなものがあります。顧客や競合他社、業界の将来動向を読みながら進める、言わばチェスや将棋のようなビジネスです。

これまでの仕事の中で最大のトラブルは、2011年秋に起きたタイの洪水による工場の被災でした。当時、エアバッグ担当として1,500t/月の糸を生地にして販売していましたが、1,500tのうち1,100tが洪水で被災し生産停止。生地の生産・供給ができない事態に直面しました。用途が自動車部品であることから、供給ストップは許されません。お客様へ製品を供給することを第一に考え、米国の競合最大手メーカーに緊急応援の交渉を実施するとともに、営業メンバー3名で全てのお客様に対してのバックアッププランを超短期間で策定。それに基づいた対応を半年間継続しました。日本・海外の東レグループメンバーの尽力やお客様からの理解、さらには競合他社からの応援により、供給を止めることなく半年間を乗り切りました。後から考えると、ギブアップ宣言をする選択もあったはずでしたが、何とか供給しきるとのメンバーの強い思いで緊急事態も乗り越えることができました。
これらの対応によってお客様から非常に高く評価され、「東レなら大丈夫」との大きな信頼を獲得し、洪水被害収束後のシェア拡大につながったと実感しています。