Interview09

「炎を遮る布」という画期的な製品で
世界中の人を驚かしていきたい

技術系技術開発・商品開発(化学)
原田 大
テキスタイル・機能資材開発センター 第2開発室 部員
2008年入社
工学系研究科繊維システム工学専攻修了

東レに入社した理由を教えてください。

大学では繊維学部で学んでいたため、東レのことはよく知っており、新しい素材を次々と開発する技術志向の会社だというイメージを抱いていました。繊維メーカーでありながら、水処理用RO膜などをつくっているところも魅力的で、「他の人と違うことをやりたい」という自分の志向にも合いそうだなと思えたのです。

これまでのキャリアを紹介してください。

入社後3年間は瀬田工場で染色・仕上げ加工の要素技術開発に携わりました。実験室レベルで新技術を創り出す仕事で、たとえば染色であれば「洗濯や日光の下で干した際の色落ちを防ぐにはどうしたらいいか?」、仕上げ加工に関してなら「水は通さず空気だけを通す生地とは?」といった根本的なテーマを、より深く掘り下げながら研究していくのです。その後は、3年半、タイの関係会社に出向し、染色の品質安定化に関する業務を担当。弱電関係の知識も活かし、生産設備の保全にも取り組みました。

現在はどのような仕事をしているのですか?

2015年に瀬田工場に帰任し、高性能繊維を用いた産業用テキスタイルの開発を行っています。担当しているのはGULFENG®(ガルフェン)という製品で、難燃性および遮炎機能を有するかなりユニークな素材。炎に晒されても穴が開いたり破れたりせず、炎を遮ることができるので、反対側にある可燃物への引火を防ぐことができるだけでなく、遮炎することで炎が当たっている裏側への熱伝導も低減できます。

GULFENG®の具体的な用途を教えてください

高く評価され、採用目前なのが航空機用のシート材です。これらの椅子の中にクッションとして入っているウレタン材は燃えやすいため、もし機内で火事が発生したら延焼の原因になりかねません。しかし、シート表面をGULFENG®で覆えば中が燃えないだけでなく、そこで炎を食い止めることが可能となります。GULFENG®は、画期的な生地がゆえに溶接作業員の防火服や消防関係など、幅広い用途が考えられます。そのため、私には、さまざまなグレードの製品を開発し、どんな引き合いにも応えられるような豊富なメニューを用意しておくことが求められるのです。

仕事を続けていくうえで、自分に足りないと思うところは?

技術的な知識をより深める必要がある一方で、現在のように製品開発に携わっている場合には「実現した機能に対して許容される価格は?」「最終的に生み出せる利益は?」といったことまで想定して作業をすすめられる人材でなくてはなりません。こういった自分に足りていないビジネス感覚を補うべく、他の多くの高機能繊維の動向を調べながら、市場を意識するように努めています。

東レに入って意識を新たにしたことはありますか?

GULFENG®の開発に携わるようになり、この画期的な繊維製品で世の中を驚かせたいと考えています。繊維というと、多くの学生さんは「古臭い過去の産業」とのイメージを抱くかもしれませんが、実際には日進月歩の進歩が新たな機能の実現につながり、市場も拡大し続けています。就職活動においては、固定観念を捨てて、もっと広い視野で活躍シーンを探していってほしいですね。

東レの技術者として思い描いている夢は?

繊維発で今では航空機にも使われている炭素繊維複合材料のように、東レグループが保有する豊富な素材を独自のアイデアで複合し、今までにないものを創り出してみたいですね。以前、炭素繊維のプリプレグシートにハニカム構造を組み合わせた超軽量材料を見る機会があったのですが、鉄のように丈夫なのに手で軽々と持ちあげられる画期的な板材でした。このように東レには本当に興味深い技術がたくさんあります。東レのものづくりのモットーである「極限追求」の姿勢を貫くことでテキスタイルでも快適性や耐久性の極限を実現できるかもしれない。そう考えて、日々の業務に取り組んでいます。

SCHEDULE

月曜日

新規開拓のため、営業と関東の顧客を訪問。

火曜日

愛知県内の顧客を訪問し、静岡県内で試作の立会い。

水曜日

社内でデスクワーク。開発課題について整理。

木曜日

開発の効率化のため関連会社への水平展開を考えており、そのための設備提案を各社に行う。

金曜日

午前中は月例の安全ミーティング。午後は課内の会議で進行状況の把握と、情報共有を図る。

PRIVATE

大学時代から続けているサイクリングが趣味で、琵琶湖一周などを楽しんでいる。学生時代に比べればペダルを漕ぐ回数は減ったが、社会人になってからは機材に拘っている。