2008年3月12日
第54回大河内記念生産賞受賞
「液晶ディスプレイバックライト用高性能反射ポリエステルフィルムの開発」
−2年ぶり、11度目の「大河内賞」受賞−
東レ(株)(本社:東京都中央区、社長:榊原 定征、以下「東レ」)は、3月11日(火)、 『液晶ディスプレイバックライト用高性能反射ポリエステルフィルムの開発』について、財団法人大河内記念会より「第54回(平成19年度)大河内記念生産賞」を受賞いたしました。
この度の受賞は、当社が独自のポリマーアロイ分散技術と高精度延伸技術の融合により世界で初めて開発・量産化に成功した高性能反射ポリエステルフィルムが、液晶ディスプレイのバックライト性能を飛躍的に高め、液晶ディスプレイの発展に大きく寄与したことが評価されたものです。
当社の「大河内賞」受賞は、第52回(平成17年度)に続き今回で11度目となります。

大河内記念会は、故大河内正敏博士の学界、産業界に残された功績を記念して、1954年(昭和29年)に設立され、その後今日まで、博士の遺志となった「生産のための科学技術の振興」を目的として、大河内賞による表彰事業等を実施しています。大河内賞は、毎年、各方面からの推薦に基づき、わが国の生産工学、生産技術の研究開発、および高度生産方式の実施等に関する顕著な功績を表彰するものです。今回当社では、生産工学、高度生産方式等の研究により得られた優れた発明または考案に基づく産業上の顕著な業績をあげた事業体を対象に贈られる「大河内記念生産賞」を受賞しました。
東レは反射フィルムメーカーのパイオニアとして、液晶ディスプレイ業界の発展に大きく貢献してきました。東レの反射フィルムは、微細な気泡を多数内包した二軸延伸ポリエステルフィルムで、気相と固相の界面(以下「気固界面」)での多重反射により、液晶ディスプレイの輝度向上が図れるとともに、耐熱性や平坦性などの優れた実用特性を有しています。
近年、液晶ディスプレイの需要拡大に伴い、バックライトには大型化や高輝度化、省電力化への対応が求められています。当社は引き続き、バックライトのキー部材である高性能反射ポリエステルフィルムの特性向上を通じて、液晶ディスプレイの発展に貢献して参ります。
なお、今回の受賞に関する主な技術特長は下記の通りです。
記
- テーマ
「液晶ディスプレイバックライト用高性能反射ポリエステルフィルムの開発」 - 本技術の特徴
液晶ディスプレイ(LCD)は、フラットパネルディスプレイの中で最も市場成長が著しく、今後も大型TVを中心に益々普及が進むものと見込まれています。液晶そのものは発光しないため、バックライトによる光源が必要です。そのため、液晶ディスプレイの表示特性はバックライトの性能に大きく影響されます。バックライトには、画面のどの位置でも明るく均一でムラのない安定した光が求められますが、パネルの背面側に向かった光はリサイクルして使用するため、その性能はパネルの最背面に設置される反射フィルムの性能に大きく依存します。
東レは独自のポリマーアロイ技術に高精度の積層延伸技術を融合させることで、微細な気泡形状をコントロールすることに成功し、世界最高の反射性能を発現するフィルムの量産を実現しています。技術ポイントは下記の通りです。
- 東レ独自のポリマーアロイ技術
ポリエステルフィルム中に非相溶性の樹脂を分散し、それを延伸すると、樹脂の界面を起点に「亀裂」が発生し成長することで微細な気泡が生じます。この気固界面の多重反射を利用して反射性能を極大化するため、独自のポリマー設計を行うとともに、核剤となる非相溶性樹脂をマイクロからナノレベルでアロイ化、分散制御することで、最適な気泡構造形成を実現しています。 - 高精度積層延伸技術
高精度積層延伸技術を開発・深化させることで、微細な気泡構造を効率的に形成し、反射効率を極限まで高めるだけでなく、反射光の散乱についても制御することに成功しています。さらに本技術により、安定的な延伸製膜と高い生産性を実現しました。
- 東レ独自のポリマーアロイ技術
- 主な実用例と今後の展開
東レの反射フィルムは、液晶ディスプレイ用バックライトの性能を飛躍的に向上させ、液晶ディスプレイ技術の成長に大きく寄与してきました。現在、当社が開発した反射フィルムは液晶ディスプレイの発展に必要不可欠な基盤材料となっており、ノートパソコンやモニター、大型TVなど、あらゆる液晶ディスプレイに採用され、世界一のシェアを誇ります。東レは今後も、反射フィルムのたゆまぬ特性向上と継続的な新製品開発を推進することで、液晶ディスプレイの発展に一層貢献して参ります。
<ご参考>
東レの「大河内賞」受賞履歴について
- 第54回(平成19年度)
- 「液晶ディスプレイバックライト用高性能反射ポリエステルフィルムの開発」(生産賞)
- 第52回(平成17年度)
- 「非感光ポリイミド法による携帯電話用液晶ディスプレイ向け高性能カラーフィルターの開発」(生産賞)
- 第49回(平成14年度)
- 「ポリアミド複合逆浸透膜および逆浸透膜システムの開発」(生産賞)
- 第47回(平成12年度)
- 「パラ系アラミドフィルムの開発」(生産賞)
- 第43回(平成8年度)
- 「磁気記録媒体用PETフィルム表面形成法の開発」(生産特賞)
- 第40回(平成5年度)
- 「経口PGI2誘導体ベラプロストナトリウムの開発と企業化」(技術賞)
- 第33回(昭和61年度)
- 「天然型ヒト・インターフェロン ベータ製剤の生産技術の開発」(生産賞)
- 第21回(昭和49年度)
- 「溶融紡糸延伸直結法の開発と工業化」(生産賞)
- 第19回(昭和47年度)
- 「新しいパラキシレンの製造技術の開発と工業化」(生産賞)
- 第18回(昭和46年度)
- 「オープンエンド精紡機MS400の発明およびその工業化」(生産賞)
- 第14回(昭和42年度)
- 「光ニトロソ化(PNC法)によるε-カプロラクタムの製造」(生産特賞)
以上
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