2011年3月11日の東日本大震災で被災された東北・関東地方の皆様には、心からお見舞いを申し上げます。また、被災した原子力発電所から漏出する放射能汚染物質によって二次的な被害に遭われている皆様にも、心よりお見舞いを申し上げます。当社は社員のボランティア活動を含め様々な支援を行っておりますが、復旧・復興に向けてこれからもできる限りの支援をして参ります。
さて、東レ株式会社は2011年に創立85周年を迎えました。これまで多角化・多様化・多極化を進めながら様々な環境変化を凌ぎ、お陰様で85年間にわたって成長を果たすことができました。今では世界23カ国で4万人弱の東レグループ社員が、企業理念を共有し、日々研鑽に努めています。しかし、これから100年そして200年にわたって、東レグループがこれまでのようにあらゆる荒波を乗り切ることができるという保障はありません。私は、それを担保するのがCSR活動であろうと考えています。
東レグループが持続的に健全な成長を遂げるため、社会の声に耳を傾け、常に経営行動を見直し変革を図り続ける必要があります。あらゆるリスクに備えて課題を設定し、取り組むことがCSR全般担当としての私の職責と理解し、全力を尽くす所存です。
東レグループの経営理念とCSR
東レグループでは「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という企業理念のもと、創業以来、本業を通じて社会に貢献する志を掲げてきました。現在も、CSR活動の推進を経営理念の実現そのものだと考え、計画的に取り組んでいます。
「経営基本方針」では重要な4つのステークホルダーに対する方針を明示し、「企業行動指針」ではよき企業市民を目指して社員一人ひとりが取るべき行動目標を掲げています。また経営理念をサポートする「企業倫理・法令遵守行動規範」では、社員一人ひとりの具体的な行動の参考となる規範を示しています。
- 経営理念と行動規範の概念図
グループ全体でのCSRへの取り組み
東レグループは、2003年にCSR委員会を設置し、第一次ロードマップ(3カ年計画)を策定しました。翌年には、CSRガイドラインを制定し、2007年にはCSR全般担当役員と、専任組織であるCSR推進室を設けました。
東レグループ独自のCSRガイドラインには、従来から「環境10原則」に基づき進めていた環境負荷低減の活動に、社会的側面における重要課題を加えました。
2つの活動を通じてCSRを推進
東レグループのCSR活動の特長は、CSRガイドラインに基づき組織的に進めている「ガイドライン活動」と、各部署で目標を掲げて推進している「CSRライン活動」の2つを並行して進めていることにあります。
ガイドライン活動では、推進責任者として役員を任命し、各項目の所管部署が計画に推進しています。活動の進捗および成果については全社委員会であるCSR委員会にて定期的に報告し、CSRレポートやウェブサイトなどを通じて広く社外にも報告しています。
一方、CSRライン活動は、グループ全体を対象とした全員参加型の活動で、国内では全関係会社にて展開済みであり、海外では地域の事情に合わせて対象会社を拡大しています。
第三次ロードマップの成果
東レグループではCSRロードマップをCSR活動全体の推進計画を共有し、継続的なPDCAに取り組むための枠組みとして位置づけています。CSR委員会を設置した2003年には第一次ロードマップを策定しており、その翌年にグループ全体で取り組むべき課題を網羅的に示したCSRガイドラインを制定しました。
第三次ロードマップは、グループ全体でCSR活動を進めてきたなかで、仕上げの段階にあたります。最終年度となる2010年度は、全社リスクマネジメントのさらなる推進、国内関係会社でのCSR教育の充実や、ISO26000に基づく活動の見直しを行いました。CSRに関連する組織・体制の見直しや第三者監査の検討など、遅れている項目もありますが、全体としては計画どおりの成果をあげることができました。
- 第三次ロードマップ(2008〜2010年度)

経営戦略とCSR
東レグループの持続的発展を実現するためには、企業活動のすべての側面でCSRを進めることが不可欠です。役員・社員の一人ひとりがCSRの視点を醸成し、各職場の業務に活かすことが重要だと考えています。長期経営ビジョン“AP-Growth TORAY 2020”の基本的考え方にも、CSRにおける3つの最重要な要素が内包されています。
また、東レグループが長期的に目指す企業イメージのなかでも「安全と環境の東レ」「グローバルに躍進する東レ」「グリーンイノベーションの東レ」「明るく元気な東レ」「CSRの東レ」など、CSRと密接に関連する項目が挙げられています。
第四次ロードマップの策定
2011年度に開始する第四次ロードマップでは経営戦略とのさらなる融合を目指し、中期経営課題“プロジェクトAP-G 2013”の達成年度である2013年度の具体的な状態目標を掲げ、情報開示をさらに進めていきます。
第四次ロードマップでは、従来はCSRの推進に限定していた枠組みを拡げ、CSRガイドライン各項目の内容と統合しました。CSRガイドラインについては、従来の年次計画(アクションプログラム)から3カ年計画へと変更することで、より中期経営課題に沿った目標設定を行うことを可能にしています。
また、各目標には「重要達成指標(KPI)」を設定し、数値などの目標を掲げて取り組んでいます。KPIの目標値については、2011年度終了後に成果とあわせて開示し、ロードマップの進捗状況をフォローする予定です。
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