私は「持続可能な社会の構築への貢献」と「持続的な成長」の両立を目指し、東レグループ全体でのCSR活動の戦略的な推進に力を尽くします 常務取締役 CSR全般統括 内田 章



東レグループは、日本の「CSR元年」と呼ばれる2003年にCSR委員会を設置して、CSRへの取り組みを開始しました。翌年制定したCSRガイドラインに即して課題と達成目標を設定し、「CSRガイドライン活動」と「CSRライン活動」を並行して進めてきました。この2つの活動はほぼ定着し、現在は、中期経営課題“プロジェクトAP-G2013”などの経営戦略と連動させた第四次CSRロードマップのもとに、計画的な取り組みを行っています。
近年、企業を取り巻く課題はますます多様化し、これらの課題を的確に捉えることがリスクへの感度を高めることにつながっており、CSRを推進するうえでも非常に重要になっていると思います。社員一人ひとりがCSRの視点を身につけて「あるべき姿」を見据え、業務に取り組むことは、社会的課題への解決策の提案や、新興国での事業拡大によって成長を目指すうえでも必要不可欠なことだと考えています。
私はCSR全般統括として、持続可能な社会の構築への貢献と、企業としての持続的な成長の両立を目指し、東レグループのCSR活動の戦略的な推進に力を尽くす所存です。

東レグループの経営理念とCSR

東レグループは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という企業理念のもと、創業以来、本業を通じて社会に貢献する志を掲げており、CSR活動の推進は経営理念の実現そのものと考え、計画的に取り組んでいます。
「経営基本方針」では重要な4つのステークホルダー(お客様・社員・株主・社会)に対する方針を明示し、「企業行動指針」ではよき企業市民を目指して社員一人ひとりが取るべき行動目標を掲げています。また、経営理念をサポートする「企業倫理・法令遵守行動規範」では、社員一人ひとりの具体的な行動の参考となる規範を示しています。

東レグループのCSRのあゆみ

東レグループは、2003年にCSR委員会を設置し、第一次CSRロードマップ(3カ年計画)を策定しました。翌年にはCSRガイドラインを制定して、社会からの幅広い要請に的確に応える体制を整えました。2007年にはCSR全般担当役員と、専任組織であるCSR推進室を設けて、より積極的な推進を可能にしました。
東レグループ独自のCSRガイドラインは、従来から「環境10原則」に基づき進めていた環境負荷低減の活動に社会的側面における重要課題を加えて、東レグループとして取り組むべきCSRの活動範囲を明確化し、10項目に整理しています。

東レグループのCSRガイドライン

  • 企業統治と経営の透明性
  • 企業倫理と法令遵守
  • 安全・防災・環境保全
  • 製品の安全と品質
  • リスクマネジメント
  • コミュニケーション
  • グリーンイノベーション事業
  • 人権推進と人材育成
  • CSR調達
  • 社会貢献活動

2つの活動を通じてCSRを推進

東レグループのCSR活動の特長は、CSRガイドラインに基づき組織的に進めている「ガイドライン活動」と、各部署で目標を掲げて推進している「CSRライン活動」の2つを並行して進めていることにあります。
「ガイドライン活動」では、CSRガイドラインの項目ごとに推進責任者として担当役員などを任命し、所管部署が組織的・計画的に推進しています。活動の進捗および成果については全社委員会であるCSR委員会にて定期的に報告し、CSRレポートやウェブサイトなどを通じて広く社外にも報告しています。
「CSRライン活動」では、各職場単位の活動として、課題解決とCSRの視点の醸成を目的に、部課長がキーマンとなり全員参加型の活動を推進しています。国内では全関係会社にて展開済みであり、海外では地域の事情に合わせて対象会社を拡大しています。
2012年度はガイドラインごとにグループ内で活動事例の共有を進め、さらなる活性化と定着を図りました。

CSR活動の推進体制図
CSR活動の推進体制図

経営戦略とCSR

東レグループの持続的発展を実現するためには、事業活動のすべての側面でCSRを推進することが不可欠です。役員や社員の一人ひとりがCSRの視点を醸成し、各職場の業務に活かすことが重要だと考えています。
長期経営ビジョン“AP-Growth TORAY 2020”はCSRを経営の根幹に据え、基本的考え方のなかにCSRにおける3つの重要な要素を含んでいます。また、東レグループが将来的に目指す企業イメージとして「安全と環境の東レ」「グローバルに躍進する東レ」「グリーンイノベーションの東レ」「明るく元気な東レ」「CSRの東レ」など、CSRと密接に関連する項目が挙げられています。

第四次CSRロードマップの進捗状況

2011年度に開始した第四次CSRロードマップでは経営戦略とのさらなる融合を目指しています。従来は年次計画だったCSRガイドラインの目標設定をCSRロードマップおよび中期経営課題と統合した3カ年計画へと変更しました。第四次CSRロードマップでは、中期経営課題“プロジェクトAP-G 2013”と連動した目標を掲げ、社会的責任の国際規格であるISO26000なども参考にして、取り組むべき課題を設定しています。また、ガイドラインごとに「重要達成指標(KPI)」を設定し、数値などの目標を掲げて取り組んでいます。

2012年度KPI達成状況について

2012年度のCSRロードマップの進捗状況については、全体としては概ね計画どおりですが、残念ながら目標未達だったKPI項目もありました。今後も、2013年度末の目標達成を目指し、すべての項目で積極的な活動を進めていきます。