労働安全・防災活動

マテリアリティ

従業員は東レグループの重要なステークホルダーであり、安全が確保されて初めて能力を発揮できます。“一人ひとりかけがえのない命を守る”との人間尊重の精神に則り、すべての役員・従業員が一体となって、ゼロ災害を目指して地道な安全活動に取り組んでいます。
このことを全従業員に意識付けるため、「東レグループ安全スローガン」を毎年定めており、2016年も前年に引き続き、常に安全について考えながら行動していくことを目標に「安全考動」というキーワードを掲げて、東レグループ全体で共有しています。海外拠点でも「ANZEN KOH-DOH」として、徹底に努めています。
また、防災については、ひとたび事故が起きれば社内だけでなく近隣へもご迷惑をお掛けすることになることから、経営の最重要課題として取り組んでいます。

東レグループ安全スローガン

AP-G 2016
ゼロ災必達 一人ひとりが“安全動”
 ―本気・やる気・気付き―

毎年、各社・工場のトップが集合して、東レグループ安全大会を開催しています。活動方針や重点活動項目を周知し活動の方向性を合わせるとともに、各社・工場の安全活動報告や社外講師による安全講演を行うことで、安全意識の高揚を図っています。そして、各トップのリーダーシップのもと、グループ従業員全員が一丸となり、ゼロ災害達成に向け安全活動に取り組んでいます。
また、国・地域単位、および東レグループ各社・工場でも「安全大会(セーフティーサミット)」や「東レ役員による安全講話」などを開催し、東レグループ安全スローガン、活動方針、重点活動項目を周知して、安全活動に取り組んでいます。

  • 2016年東レグループ安全大会(東レ総合研修センター)2016年東レグループ安全大会(東レ総合研修センター)
  • インドネシア東レグループの安全大会インドネシア東レグループの安全大会

東レグループの安全成績

重大災害件数

対象範囲: 東レグループ

2016年度目標 0件

実績 0件

火災・爆発事故件数

対象範囲: 東レグループ

2016年度目標 0件

実績 1件

世界最高水準の安全管理レベル達成(目安:休業度数率0.05以下)

対象範囲: 東レグループ

2016年度目標
0.05以下

実績
0.33

類似災害防止の一環として推進している「キーワードによる全員参加の類災防止活動」(東洋実業(株)滋賀第3事業所)類似災害防止の一環として推進している「キーワードによる全員参加の類災防止活動」(東洋実業(株)滋賀第3事業所)

2016年は重大災害の発生はありませんでしたが、海外関係会社において、設備の一部が損傷する火災事故が1件ありました。グループ内での事故の再発を防止するため、災害が発生した場合にはグループ内の防災有識者が速やかに現場へ行き、原因究明と対策を指導するとともに、得られた知見を東レグループへ展開しています。
東レグループとしては、これら災害・事故の本質原因を究明し、再発防止対策を実践することで、引き続きゼロ災害を目指し、安全最優先を徹底してまいります。
また、東レ(株)では1980年から、東レグループとしては1990年からすべての労働災害統計を取っています。発生した労働災害情報はすべてグループ全体で共有し、貴重な教訓として類似災害の防止対策に役立ててきました。その結果、統計開始当初に比べ、全労働災害件数、休業度数率ともに減少しています。
一方、東レグループ全体の2016年の休業度数率は0.33であり、日本の製造業(1.15)と比較すると良好な成績ではありますが、目標とする0.05以下は大きく未達となりました(前年比0.19悪化)。その要因のひとつとして、2015年12月に労働災害の定義を一部見直した影響が挙げられます。これが現在の実力であると真摯に受け止め、個々の災害の本質原因を追究し、類似災害を防止するとともに、これまで以上に「安全考動」の徹底を推進し、安全レベルの向上とゼロ災害を目指します。

全労働災害発生件数の推移

全労働災害発生件数の推移

労働災害度数率※1の推移(東レグループ)

労働災害度数率の推移(東レグループ)

  1. ※1 労働災害度数率:100万労働時間あたりの労働災害による死傷者数

安全・防災教育の充実

東レグループでは安全防災教育はもとより、危険感受性(危険を危険と感じる力)を高めるため、種々の体感教育を各社・工場で工夫を凝らして実施しています。安全面では、ロールへの巻き込まれ、感電・残圧などの危険性を擬似的に体験できる装置を活用しています。また防災面では、火災・爆発のデモンストレーション実験により爆発の恐ろしさを体感する教育や、防災基礎知識教育を社員教育体系に組み入れて実施しています。
また、東レグループの社内報「ぴいぷる」にて安全・防災について各種情報を提供しています。2016年は、火災・爆発基礎知識についての特集を組みました。

  • 火災・爆発デモンストレーション実験教育(東レ(株)専修学校)火災・爆発デモンストレーション実験教育(東レ(株)専修学校)
  • 防災研修室(東レ(株)東海工場)防災研修室(東レ(株)東海工場)

VOICE担当者からのメッセージ

建設工事現場に赴任する工事課員と協力会社社員に安全教育と講習会を実施しています。

私はプラント事業部施工管理部門に所属しており、建設工事現場の所長や工事主任および協力会社の職長職位に対して、以下の研修、教育を実施するとともに、外部講習会への参加を促しています。
1.安全衛生研修会(毎年6月第1月・火の2日間)
2.安全体感教育訓練研修会(毎年1回7~9月)
3.安衛法による法定特別教育(随時)
4.警視庁主催の四輪運転者講習会に参加(年4回)
これらに共通する目標と目的は、「当社から労働災害を絶対に出さない」および「最前線の現場で働く方々の知識・技能・意識の向上」です。座学での集合教育と危険を実際に体感する体験型教育を融合させ、実践的かつ有効なカリキュラムにすることを意識し、活動しています。
毎年6月に開催している「安全衛生研修会」には、所轄の労働基準監督署長や専門講師をお招きして最新の労働安全衛生動向を学び、「安全体感教育訓練」では、安全帯で吊り下がる実体験を通じて労働災害の怖さを体得できるようにしています。
このほか、労働安全衛生法における危険有害業務の特別教育講習会を、講師資格を保有する社員が自社で実施し、修了証を交付して資格者増員の一助を担っています。現在8種類の特別教育を自社で展開しています。

「職長・安全衛生責任者講習会」にて講義
「職長・安全衛生責任者講習会」にて講義

井手 忍

水道機工(株)
プラント事業部プロジェクト管理課 主査井手 忍

協力会社と一体となった安全管理

構内でともに働く多くの協力会社の方々の安全を守ることも東レグループの使命と考えています。同じ職場で働く仲間として、協力し合いながら安全活動に取り組むために、協力会社の代表者に月1回実施する安全衛生委員会に参加していただくほか、定期的に開催する安全協議会や連絡会などで意見や要望を伺うとともに、東レグループの方針、施策などを説明しています。また、安全ポスターや安全標語への応募、安全提案などを含め、安全活動全般にわたって参画していただいています。
2016年も殖産会社※210社の社長が、お互いに各社の現場を見て安全活動の推進状況を確認し合う、「殖産会社相互安全査察」を実施しました。その中で、フォークリフト作業や梱包作業などの危険作業を実査し、改善すべき点があればアドバイスして、その改善状況についても互いに確認し合いました。

  1. ※2 殖産会社:東レ(株)出資の工場運営付帯業務請負会社
  • 安全協議会(名古屋事業場)安全協議会(名古屋事業場)
  • 殖産会社相互安全査察における作業実査(東洋サービス(株))殖産会社相互安全査察における作業実査(東洋サービス(株))

防災訓練による事故への備え

防災訓練(大垣扶桑紡績(株))防災訓練(大垣扶桑紡績(株))

各社・工場では、それぞれ特有の火災・爆発に備えた防消火訓練を実施して防災力の向上に努めています。放水訓練はもとより、怪我人の救助や、薬液が流出した場合の対応、さらには緊急時の官庁や地域住民への速やかな通報についても訓練を実施しました。
また、大規模地震への備えとして、海に隣接する工場では、津波を想定した避難訓練も行いました。

防災力強化への取り組み

東レグループの防災力を強化するため、2016年は「4つの重点活動項目」を決め、防災教育を東レグループ全社で実施しました。さらに、火災事故が発生した工場ではグループ内の防災有識者が防災査察を行い、本質原因を究明し、対策を立案しました。
また地震対応として、人命最優先の理念のもと、安否確認システムの導入や避難訓練を行い、対応力の強化を図りました。一方、大規模地震発生時にも社会的供給責任を果たすため、BCP※3の策定に取り組みました。

  1. ※3 BCP:Business continuity planning(事業継続計画)

4つの重点活動項目

仕掛け 内容・目的 2016年活動結果
FPチェックリスト活用 FPチェックリストの充実化・有効活用
  1. 海外関係会社へのFPチェックリスト教育
  2. 教育を受けたキーパーソンによるチェックリスト運用システムの構築(国内)
人材育成 防災教育テキストの見直し・発行および全社防災教育体制の整備・実行
  1. 防災教育体制の確立(防災原理原則教育、パイロットプラントでの技能教育)
  2. 海外関係会社への防災教育
変更管理の強化 製造条件、作業、設備変更手順の基準化
  1. 全社基準に則った各職場の基準および関係文書の作成と運用開始(国内)
  2. 海外関係会社への展開体制確立
工事保安の強化 火気工事ルール・手順の基準化
  1. 各社・工場の火気工事基準改定と運用状況フォロー(国内)
  2. 海外関係会社への展開体制確立

海外関係会社防災教育(東レ総合研修センター)
海外関係会社防災教育(東レ総合研修センター)

物流安全への取り組み

東レ(株)では、危険有害性物質を輸送する際の安全管理に関して、お客様や原料メーカー、運送業者との間で具体的な責務と役割を定めた保安協定を締結し物流安全に努めています。

石綿による健康影響と対応について

東レグループでは、過去に石綿を含む建材などを製造・輸入・販売したことがあり、また、建屋や設備の一部に石綿を含む建材・保温材などを使用していました。石綿による健康被害が社会問題化した2005年度から設備対策などを推進するとともに、過去に多少とも石綿を取り扱った東レグループの社員・退職者で希望する方について石綿健康診断を実施し、所見が認められた方については、労災申請への協力や継続検診の実施など、誠意をもって適切に対応しています。なお、近隣住民の方からの健康影響に関する相談はありません。
2017年3月末現在で確認している東レグループ社員および退職者の方への健康影響は次のとおりです。

石綿の取り扱いによる東レグループ労災認定者 83人(うち、死亡された方 67人)
東レグループの石綿健康被害救済法受給者数 9人(うち、死亡された方 9人)
東レグループ石綿健康診断受診者数 3,981人