科学技術振興

東レグループは企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」をイノベーションの実践によって具現化することを宣言しています。イノベーションにつながる新技術・新素材を継続的に生み出していくためには、人材の確保・育成が必要です。東レグループは長期的視点で、(公財)東レ科学振興会や科学振興財団を通じた研究助成や理科教育支援、人々の理科・科学への関心を高める活動などに取り組んでいます。

科学技術振興のために

(公財)東レ科学振興会は、1960年に設立され、民間研究助成財団の草分けとして当時大きな話題を呼びました。科学技術の研究を助成振興し、科学技術思想の普及を図り、科学技術および文化の向上発展に寄与することを目的に、

  1. 自然科学分野の若手研究者への資金援助
  2. 科学技術で優れた業績を挙げた方の表彰
  3. 中等理科教育に携わる先生方の表彰と表彰作品の普及活動
  4. 東南アジア3カ国(インドネシア、マレーシア、タイ)の自然科学分野の若手研究者への資金援助
を行っています。
なお、1960年の財団設立以来継続している科学技術研究助成、科学技術賞の贈呈は、2016年度で57回を数え、その累計は、科学技術研究助成627件(助成金総額65.0億円)、科学技術賞119件(賞金総額4.4億円)となりました。また、1969年度から継続している理科教育賞の贈呈は、2016年度で48回、累計662件(賞金総額2.1億円)となり、1989年度から継続している海外研究助成の贈呈は、2016年度で28回、累計665件(助成金総額4.1億円)となりました。

  • 第57回東レ科学振興会贈呈式(2017年3月)第57回東レ科学振興会贈呈式(2017年3月)
  • 第57回(2016年度)科学技術研究助成金受領者第57回(2016年度)科学技術研究助成金受領者

アセアン地域における科学振興財団

東レ(株)は、1960年代から進出している東南アジア3カ国の科学技術の向上発展と理科教育の振興に寄与するため、1993年に「マレーシア東レ科学振興財団」「インドネシア東レ科学振興財団」を、1994年に「タイ東レ科学振興財団」を設立しました。
以降、基金の運用収益ならびに(公財)東レ科学振興会からの助成、各国東レグループからの毎年の寄付により、傑出した科学研究者、基礎科学の若い研究者、理科教育者を対象に、科学技術および理科教育についての優れた業績に対する褒賞、自然科学の研究に対する研究助成を行い、現地社会から高い評価を得ています。
これら科学振興財団の活動が、科学技術関係者、さらには青少年およびその教育関係各位の関心を喚起し、各国の中長期的な科学技術の発展に寄与するとともに、各国と日本との相互理解、友好・親善、そして経済発展に寄与することを願って取り組みを続けています。

マレーシア東レ科学振興財団
Malaysia Toray Science Foundation <MTSF>

1993年8月の設立以降、累計で9,474,000リンギットを685人に拠出。毎年開催する贈呈式には、科学技術革新省大臣や在マレーシア日本大使館特命全権大使にご出席を賜り、受賞者ならびに助成を受ける科学技術関係者にとって、名誉ある場となっています。また、募集期間中には各大学や教育省と連携し、各地で若手研究助成金や理科教育賞の積極的なPR活動を行っています。
2016年度は、総額427,000リンギットの賞金・助成金を、2件の科学技術賞、17件の科学技術研究助成、16件の理科教育賞の受賞者に贈呈しました。

  • 2016年12月「第23回マレーシア東レ科学振興財団(MTSF)贈呈式」(科学技術賞の受賞者の皆さん)2016年12月「第23回マレーシア東レ科学振興財団(MTSF)贈呈式」(科学技術賞の受賞者の皆さん)
  • 贈呈式で挨拶する東レ(株)社長贈呈式で挨拶する東レ(株)社長

タイ東レ科学振興財団
Thailand Toray Science Foundation <TTSF>

1994年6月の設立以降、累計で1億1,860万バーツを657人に拠出。毎年開催する贈呈式には、1995年の第1回から2009年の第15回まではプレム枢密院議長閣下に、2010年の第16回贈呈式からは、スラユット枢密院議員閣下に式典委員長としてご出席を賜り、歴代の受賞者ならびに助成を受ける科学技術関係者にとって、名誉ある場となっています。
2016年度は、総額537万バーツの賞金・助成金を、2件の科学技術賞、20件の科学技術研究助成、7件の理科教育賞の受賞者に贈呈しました。

  • 2017年3月「第23回タイ東レ科学振興財団(TTSF)贈呈式」(理科教育賞受賞者の皆さん)2017年3月「第23回タイ東レ科学振興財団(TTSF)贈呈式」(理科教育賞受賞者の皆さん)
  • 科学技術研究助成金受領者の皆さんと、式典委員長のスラユット枢密院議員、佐渡島在タイ日本国特命全権大使、東レ(株)社長の日覺ほか科学技術研究助成金受領者の皆さんと、式典委員長のスラユット枢密院議員閣下、佐渡島在タイ日本国特命全権大使、東レ(株)社長の日覺ほか

インドネシア東レ科学振興財団
Indonesia Toray Science Foundation <ITSF>

1993年12月の設立以降、累計で192億ルピアを659人に拠出。本財団は、設立時からインドネシア科学院の協力を得ており、同院長が歴代のITSF会長に就任されています。
科学技術研究助成の受賞者の中には、インドネシア大学やバンドン工科大学、ガジャマダ大学、スラバヤ工科大学等の有名大学で教授、准教授となり教鞭を執っている方、インドネシア科学院で研究を継続している方など、多数の者がインドネシアの科学技術の発展に携わっています。
2016年度は、総額9.7億ルピアの賞金・助成金を18件の科学技術研究助成、10件の理科教育賞の受賞者に贈呈しました。

  • 2017年3月第23回インドネシア東レ科学振興財団(ITSF)贈呈式の受賞者と来賓の皆さん2017年3月第23回インドネシア東レ科学振興財団(ITSF)贈呈式の受賞者と来賓の皆さん
  • 受賞者に受賞証明書を授与受賞者に受賞証明書を授与

学校の理科教育支援

東レグループでは長年、科学技術振興の一環として、さまざまな科学技術系人材の育成に取り組んできました。近年では対象者の裾野を広げ、事業拠点地域の小・中学校で、東レグループの製品を教材とした理科実験プログラムを展開しています。理科の教科書に合わせた内容となっており、社員による出張授業と、実験器具・教材の無償提供を行っています。
2016年度は、中学校向けプログラムをアレンジし、高校での出張授業も行いました。小学校から高校までを合わせると、理科実験の出張授業を実施した学校数は、米国、東京、愛知、岐阜などで、合計22校となりました。また、実験器具・教材を提供した学校数は、日本全国で50校となりました。このほか、2016年度は東京で3件の教員研修にも協力しました。

  • 実験の説明をする社員講師実験の説明をする社員講師
  • 子どもたちの実験もサポート子どもたちの実験もサポート
  • 高校での出張授業高校での出張授業
  • 教員対象の研修会での出張授業教員対象の研修会での出張授業
  • 興味深そうに実験に参加する小学校の先生興味深そうに実験に参加する小学校の先生
  • 中空糸膜を使用し、オレンジジュースを無色にするろ過実験をしている様子中空糸膜を使用し、オレンジジュースを無色にするろ過実験をしている様子

マレーシアで青少年向け科学技術イベントに出展

2016年9月、マレーシア東レグループはテックドーム・ペナンで開催された「第1回日本技術展」に出展しました。会場となったのは2016年7月にオープンしたテックドーム・ペナン。子どもたちの科学への関心を高め、科学技術分野の人材を育成するためにペナン州政府の後援で建設された、ペナン初の青少年向け科学技術センターです。
期間中、水処理膜を使用したろ過実験、導電性フィルムの実験、炭素繊維と鉄板の重量比較などを通して、東レグループの技術が幅広く社会に役立っていることを紹介し、子どもたちに、楽しみながら科学に対する関心を高めてもらうきっかけづくりを行いました。また、説明を担当した社員にとっても、東レグループの多種多様な先端技術を学ぶよい機会となりました。
なお、マレーシア東レグループは、テックドーム・ペナンの設立趣旨に賛同し、同センターの建設にあたり30万リンギットの寄付も行いました。

  • 実験コーナーで説明する社員実験コーナーで説明する社員
  • 炭素繊維製のバドミントンラケットの軽さを体感炭素繊維製のバドミントンラケットの軽さを体感

科学技術館「実験スタジアム」でワークショップを開催

「【ろ過】で地球の水について考えよう!」<br>プログラム「【ろ過】で地球の水について考えよう!」
プログラム

東レ(株)は2012年より、東京の北の丸公園にある科学技術館の実験スタジアムで、開館日にワークショップを開催しています。
「【ろ過】で地球の水について考えよう!」と「せんいの不思議」の2つのプログラムがあり、2016年度は、子どもから大人まで7,300人を超える方が参加されました。

生物学オリンピックを支援

全員がメダルを獲得した日本代表の高校生たち(写真提供 国際生物学オリンピック日本委員会)全員がメダルを獲得した日本代表の高校生たち
(写真提供 国際生物学オリンピック日本委員会)

東レ(株)は、2007年から(公財)日本科学技術振興財団を通じて「国際生物学オリンピック」への生徒派遣を支援しています。その第27回大会が2016年7月にベトナムで開かれ、日本代表として派遣された4人の高校生が金・銀メダルを獲得しました。

「青空サイエンス教室」の企画・運営に協力

子どもたちが作ったオリジナルロケットの打ち上げコンテスト子どもたちが作ったオリジナルロケットの
打ち上げコンテスト

「青空サイエンス教室」は、(株)JTB コーポレートセールスが2015年から主催している小学3年生から5年生を対象とした宿泊体験型教室です。自然体験を通じて理科に興味をもち好きになるきっかけになることを目指しており、東レ(株)は、この企画・プログラム作成・運営に協力しています。
炎色反応によってさまざまな色に光るキャンプファイヤー、湖水を使った水の浄化実験、天体観測、ロケット作成など、自然の中で遊びながら理科の楽しさを体感できるよう毎年工夫しています。