写真で見る東レ滋賀ボート部60年史

1990年~1999年 (平成2年-11年)
新たなる挑戦!

~世界で戦えるレベルを目指して~

 1980年代に入ると、日本ボート界も経験豊富な大学卒メンバーで補強した社会人チームが増え始めた。そのため、競技レベルが一気に向上。日本代表の選抜クルーが、軽量級種目において世界選手権で上位進出を果たすようになった。「選抜クルー編成による国際競技力の向上」や「軽量級中心の選手強化」が進んだ時代である。
 このような流れの中、「東レ滋賀ボート部」は「大きく力強い漕ぎ」「他を圧倒する王者」であることを目指した。軽量級偏重とはせず、大型選手の強化も進め、全日本選手権で数々のタイトルを取得。一方で、日本選抜クルーへも多くの優秀な選手を輩出し、日本ボート界に貢献した年代である。

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1990

第35回 中日本レガッタ 舵手付きフォア 優勝
(愛知県 愛知池)

この年の新入社員である4名の漕手で臨んだレースであったが、若く勢いある新人達をコックス三好が上手くリードし、見事優勝を勝ち取った。試合後、優勝を祝い、三好選手はコース(愛知池)に放り込まれた。
C:三好邦之 S:田之上哲郎 3:甲剛 2:富田芳昭 B:高瀬英生

 

第43回 朝日レガッタ エイト 出場
(琵琶湖漕艇場)

この朝日レガッタで優勝し、夏の全日本に向けて勢いをつけたいところであったが、惜敗。1980年代に活躍した多くの選手が引退し、世代交代したこともあり、再出発の時期であった。
C:山田健一 S:十河義寛 7:桐山正照 6:北川健雄
5:鈴木雅也 4:田中淳司 3:酒井隆匡 2:山中貴幸 B:丹野文広

1992

第24回 全日本社会人・実業団選手権大会 エイト 優勝
(徳島県 吉野川)

翌年の徳島国体のリハーサルとして開催されたこの大会。1000mレースの中、前半から積極的に飛ばし、他のクルーに水をあけた快心のレース。「東レ滋賀エイト」久しぶりの優勝であった。
C:山田健一 S:田之上哲郎 7:茅野和彦 6:桐山正照 5:甲剛 4:富田芳昭 3:酒井隆匡 2:清家潤一 B: 高瀬英生
1993

第71回 全日本選手権 3種目制覇
(埼玉県 戸田)

前年まで年2回、大学選手権との併催だった全日本選手権。この年から、全日本選手権(6月)と大学選手権(8月)が独立して開催。その中でのエイト決勝は、予選トップタイムの「トヨタ自動車」を準決勝で破り、この種目3連覇中の「NTT東京」との一騎打ちとなった。「東レ滋賀」はスタートから先行し、中盤以降も寄せ付けず、一艇身差で完勝。ダブルスカルは、「明治生命」や「三菱化成」を退けての優勝。舵手付きペアと合わせ、出場4種目中3種目で優勝をかっさらった。


エイト(通算5度目の優勝)
C:山田健一 S:山児和久 7:十河義寛 6:茅野和彦 5:田之上哲郎 4:甲剛 3:清家潤一 2:高瀬英生 B: 田中淳司
ダブルスカル S:桐山正照 B:佐川泰夫
舵手付きペア C:清原剛 S:富田芳昭 B:酒井隆匡

1994

第72回 全日本選手権大会 3種目制覇
(埼玉県 戸田)

エイト決勝は冷たい雨の中、「NTT東京」「トヨタ自動車」と対戦。第1クォーターこそ競り合ったものの、中盤以降突き放し、2連覇を達成。ダブルスカル、舵手付きペアも優勝し、3種目2連覇の快挙となった。
エイト C:清原剛 S:山児和久 7:三本和明 6:茅野和彦 5:田之上哲郎 4:甲剛 3:富田芳昭 2:酒井隆匡 B:清家潤一
ダブルスカル S:駒居裕 B:桐山正照
舵手付きペア C:三好邦之 S:佐川泰夫 B:高瀬英生

1996

第49回 朝日レガッタ エイト 優勝
(琵琶湖漕艇場)

全日本選手権がアジア大陸予選と日程の重なりがあったため、シーズン前半では今大会のみベストメンバーでのエイト出場となった。「東レ滋賀」は予選から他を圧倒し、2分47秒のタイムで8年ぶりの栄冠を手にした。
C:清原剛 S:山児和久 7:三本和明 6:富田芳昭 5:清家潤一 4:守屋豪 3:今西康雄 2:鈴木雅也 B:田之上哲郎

 

第74回 全日本選手権大会 舵手付きフォア 2種目制覇
(埼玉県 戸田)

日本代表経験者3名のベテランと有望な若手1名の布陣で出漕。予選、準決勝とコックスは一度も相手クルーを拝むことなく決勝に進出。決勝レースもスタートから飛び出し、そのままゴール。優勝タイムは6分31秒。
C:清原剛 S:山児和久 3:清家潤一 2:富田芳昭 B:今西康雄

 

第74回 全日本選手権大会 クオドルプル 2種目制覇
(埼玉県 戸田)

快調なスタートを切り、中盤もそのままキープ。ゴール手前で「来島会」に迫られ、あわやと思われるも、0.07秒差の6分12秒04のタイムで逃げ切り、初優勝を手に入れた。この優勝で全日本選手権の全種目制覇を達成。
S:駒居裕 3:立入正樹 2:守屋豪 B:桐山正照

1998

第53回 国民体育大会 2種目制覇
(神奈川県 相模湖)

両クルーとも実力を発揮し、2位以下に水をあける快心のレース展開で、確実に優勝を射止めた。ダブルスカル、シングルスカルの2種目で優勝
ダブルスカル S:山児和久 B:桐山正照
シングルスカル 三本和明